十牛図の茶碗

四月のお茶会でお客様にお出しするお茶碗が、十牛図のものだと先生に伺いました。十牛図のお茶碗があると言う事にまずびっくり!お茶の世界は深いものです。

彷徨いと葛藤を繰り返していた若い頃の記憶を消してしまいたいと思っていた私にとって、十牛図の教えは衝撃的でした。牛を捜しに行って足跡を見つけたような気がしたのですがそこまで、あとはうやむやの内に還暦迎えまして、そうしたら牛を捕まえ飼いならし牛に乗って家に帰った人たちも定年だったり介護になったりしていて、七番目のお茶碗の”自分”だけになっていました。そして八番目のお茶碗は人も牛もいなくなってなにもなく・・九番目、いつの間にかまたスタートラインにたっていました。だけど今度は距離はかなり短いし、今世でやりきれなければ来世に持ち込めばいいのだし、それにいろいろ若い頃にやっていたことがやっと発酵してきて自分のものになってきた気がします。あまりに遅すぎるけれどまあいいかと思いながら、日本の方外国の方いろんな方たちが助けて下さることがただただありがたいです。

  

  酔生夢死。たぶん十一番目のお茶碗の絵ではないでしょうか。