着物の感性とは?

 先だって、いつもお世話になっている呉服屋さんに外国人の着付けの写真などお見せした時、一番気になったというのがこのインドネシアの女性の着ている銘仙でした。昔のものなので勿論短いし、もろくなっているのですが、これは評判のいい銘仙です。(知り合いのお母様のものです) 

 着物というのは決して持ち主のものではないと思う時があります。一回だけなのに意味を持った着物をお着せした時の輝きは恐ろしいくらいものがあるし、その意味をしっかり受け止められる力量を持った方が、着て下さるのです。一期一会はお茶の世界だけでなく、着物の世界にもあるのでしょうか。昔の銘仙をインドネシアの女性が着て、あでやかに颯爽と歩く、これは着せる側の着物の感性が非常に問われるものだと思っています。着物を着るだけでこうやって表現ができること。これからの着物業界に必要なのは、感性と文化ではないでしょうか。

言い忘れましたが、こちらは高円寺で着付けしている娘のお客様でございます。