功徳 Pious act

本当は初詣したかったというタイの新婚夫婦メイちゃんとポン君でしたが、混雑するからということで大みそかの着物体験となりました。だけれど寒くて雪が降りそうな天気。ホストの横田さんは二人にホッカイロを何枚も張り付けてあったかくして、柴又を案内したくさん写真を撮りました。(正月だったら混んでいて写真は撮れなかった)二人の熱い愛情と周りの温かい心遣いで、20枚以上の素敵な想い出が残りました。

そして今年はお正月から、着付けをたくさんしています。初詣の二組の夫婦には今うちで一番高価な訪問着と羽織袴、デニム着物をお着せし、仕事始めの奥様には明るい花模様の小紋を、そうそう主人も着物着たし、背の高い次女の旦那さんには陣羽織を羽織ってもらいました。

そして成人式。鹿島と二子玉川で娘は十人以上の着付けをし、私は前撮りをしたお嬢さんんが当日着たくなったそうで、急な着付けをしました。うちは外国人着付けが多いので、全貸しが基本です。だから日本の方でも全貸しとなり、成人式もすべてお貸しします。今どきのテイストの振袖でなく、何十年前の、染みも汚れもいろんな思い出もこめられた桐生の赤い着物に私の結納の帯を締め、帯締めも帯揚げも髪飾りもバッグもすべてそれぞれの記憶をもったものとともに、彼女は彼女の二十歳のお祝いに向かっていきました。

 

主人は私のしていることはボランティアで道楽だといつもいっています。

でも今回はじめて、これは功徳だなとぽつりと言いました。そうか着物を着ると言う事は功徳なんだ。曽野綾子さんが自分で立つ軸足の強さを持とうと書いていましたが、私にとっての軸足とはうちにたくさん寄せられている着物たちの魂なのでしょう。いろんな立ち場のいろんな方々にお着せしていくことが、私の役目なのです。