初釜  First tea ceremony of New Year

 素敵な古い帯をいただきました。初釜に着ていったちりめんの引き茶色の訪問着に合わせてみました。この趣のある帯は小柄でしっとりとした方に着てもらいたいような、でもどなたが心惹かれるかわからない宝尽くしの模様や様々な物語が含まれている帯なのです。

 着ていただいた着物を手入れしている時がとても好きです。陽の差し込む部屋で畳んでいると、着物や帯は話しかけてくれます。私の着物、いろいろな所から送られてきた着物、布の織、模様、刺繍、柄、着た方の癖、染み、汚れ。みんな記憶であり想い出なのです。いろんなことがあったでしょう、いろんなことを見て来たでしょう。それらを布地に織り込めて、着物は品格を持って長い年月を送っています。日本の伝統文化の極致なんだなあとしみじみ思います。

 着付けする時BGMをかけてと言われ、ふと娘の知り合いの三味線二胡ピアノそれにタップダンスの音が入る、HARE TO KEという音楽をかけたら、とてもモダンでこれを外国人着付けの時かけてみようかと思いました。若い方の感性はまた独得です。

 これから若い方とコラボして体験ホストをすることになりそうで、準備をしております。着物もさまざまやってきそうで、ありがたい限りです。もっともっと技術をあげて、修練して、綺麗にお着せしたいと思っています。