アルゼンチンのノエルとマリアホセ

二月最後のエアビーのお客様は、アルゼンチンからのノエルとマリアホセでした。まず出だしが,来ない!待てど来ない。でもキューバとチリの夫婦は連絡ありで一時間遅刻、中国の女性は来ると言いながら来ない、とあったから、まあ南米だししょうがないと思っていたら、なんとタクシーで華々しく到着!香水の匂いと機関銃のようなしゃべりっぷりと猛烈なハグの嵐。これぞアルゼンチン!でした。強力な助っ人、スペイン語に堪能なみさ子さんがきてくれたので、本当に助かりました。みさ子さんはアルゼンチン人のスペイン語はわからないと言いつつ、彼女たちがしゃべればすぐスペイン語で返してくれるので、安心したノエルとマリアホセはうちをホームグラウンドのように飛び回ります。

長い髪を編み込んでアップにし、赤と青の着物を着て写真を取り出すと、彼女たちはファンキーなポージングを繰り出します。なんでこんなに陽気なのかと思ったけど、34歳独身キャリアウーマンたちが真面目なおとなしいポーズとるとやはり年齢が出てしまう、特にノエルにはいろいろコンプレックスがあるようで、どんな国の人にも抱えているものがあるようです。

みさ子さんのようにスペイン語が話せたらいいんだけど、もしそうなったとしても話題の幅が全く違うし、世間知らずで単細胞の私がしゃべる内容は何語話そうが同じです。

 曽野綾子さんが、この世に生まれてくるのは、人に会うためなのだと言っていました。人と出会ってその豊かな才能を見ることが、楽しみでもあり豊かさでもあると、いつも感じているそうです。この個性的な人間の存在を、どれほど貴重なものと思うべきかを、子供たちにも、幼い時からはっきり教えるのも親の務めなのだろうと思うとのことです。

人と会うのは楽しいことです。言葉の壁がありよく理解できない時は思いっきり想像しまくります。合ってないかもしれないけど物語を作ってしまいます。今回のアルゼンチン人さんたち陽気で騒々しかったけど心の中には寂しさとコンプレックスがある気がしました。でも彼女たちに日本の良い着物を着せていい帯を締め、髪の毛もきれいに結い上げかんざしをさし、柴又を歩いたとき、本当にきれいでした。

 着物を着た彼女たちはアルゼンチンの陽気な女の子ではなく、一つの文化になったのです。着物の持つ力は外国人の体にまとわれまた新たな輝きを増し始めていました。

もっともっと技術を挙げなくてはならないと痛感しています。写真を娘に送ると「誰の着付け?」と返してきます。ブログに写真を載せられません。

これからも厳しい着付けが続きます。メールで予約が入り、打ち合わせして最後にサイズを知らせてもらうとあり得ない数字が返ってきます。155㎝90キロ?うーん。