パーフェクトパッケージをめざして

三月最初のお客様は韓国で生まれ今はカナダ国籍のジョイスさんでした。日本で三年半働いていたので日本語が話せる、嬉しいゲストです。雨が降って寒かったのと、日本にずっといたので柴又へ行かないで着物だけ着たいというリクエストで、169㎝のスリムな若いお嬢さんにとっかえひっかえ何をお着せしようかと思いましたら、なんと彼女は物凄い渋好み、いままで外国の方には選ばれなかった種類の着物を次々と選んできます。あずき色の銘仙、紫の色無地、くすんだ金茶の訪問着。でもねえまだミスなんだから振袖もお着せしました。

途中でティーセレモニーも入れ、英語の習得の仕方や国籍のこと、いろんな話もでき、雨降りの時はこんな感じでもいいのだなあと新しい発見をしました。

その夜すぐレビューを書いてくださり、私がいかに着物に愛情を持っているかわかってくださったとのこと、何か不思議な気がします。日本の方からの着付けの依頼はほんとにわずかで、みんな足早に通り過ぎていくし、小さな子供さんがうちに飾ってあるお雛様や子供用の着物着たマネキンを見ようと寄ってくると、付き添いの私よりお若いおばあ様は手を引っ張って去ってしまいます。悲しいなと思います。

今日は三人明日二人明後日一人。予約は直前に入る時もあるので、気が抜けません。パーフェクトパッケージをめざして頑張ります。