人生の選択 そしてその解釈 

 土日も含め連続4日仕事して今日はお休み、やっぱりほっとします。でもレビューがしばらくないと満足してもらえなかったかしらと心配になりますが、うんと良いかうんと悪いか、あとは改善してもらいたいことがある方はいろいろかいて下さる気がします。

 ラオスパパの後に来たのが、モロッコ出身で、スペインに住みそれからベルギーに渡った看護師のイケメン君とベルギー人の可愛い二十歳の彼女と、女性一人男性二人全員180㎝のスペイン人でした。ボランティアのスペイン語通訳の勉強している女性が来てくれたので、スペイン人さんの会話がつながり本当に助かりました。

 教師のアンドレは柔道をやっていて巴投げが好きで講道館にも行きたいとか、主人は一生懸命道順を説明していました。サンドラも教師で世界中を旅しているし、明日スペインへ帰るのですが京都や奈良、広島宮島などいろいろまわってきたそうです。サングラスかけて髪をブロンドに染め、黒い縞の浴衣着て黒ひげはやしたニコルはIT関係の仕事、一人っ子で、お寺とか回って見学していてもいつも何となく退屈そうにしていると通訳のきみこさんが言ってました。

 私はラブラブのベルギーカップルがすぐ何処か行ってしまうので追っかけながらなんとか柴又散策を終え、帰ってくる途中180㎝の大きなサンドラと並んで歩きながらいかに自分たちが大きいことで大変だったか語り合い、あまりの共通点の多さに驚きつつ、でも今着物の仕事ができる原点はその大きさだということ、そして私の場合は着物への愛に支えられていると話していたら、わかってもらえる安心感からか、なんだか涙が出てきました。

 別れの時、背伸びしてサンドラと何回もハグしていたら、実はと、男性二人の関係を耳打ちしてくれました。あーそうなんだ。私がちゃんと理解しているのならいろんなことが腑に落ちました。いろんな人生があるし選択があるし、それによって解釈していかなければならないのでしょう。

ライトグレーのしじらの浴衣きたアンドレは写真好きで沢山撮りながら、柴又来て良かったといってましたが、このスペイン人三人との出会いは今までで一番インパクトが強いものでした。私はスペイン語で話すこともなかったし短い接触でしたが、自分の本音の感情を互いに語り合った時の心のわかり方、どういう英語話したかも覚えてないけど強烈なハグ、大きいのは仕方ないじゃないか、それで人生の選択が狭められてもそれは良い運命に変えていけばいいんだから、みたいな共感は、多分私たちにとってこれからの励ましになるんではないかと思いました。

 心の持って行き方が普通とは違っていても、それを解釈する仕方で人生は豊かになるのか、無理して受け入れているのか、そこまで話すのは無理でしたが、わからない世界をわかりたいし、この仕事の中にわかるきっかけがある気がします。

昨日でゲストの数が300人超しました。普通に観光案内したりするのでなく着物着せて髪を結いあげ、手を取りつつお茶点ててもらい、柴又案内して薄暗いお寺の仏前に正座して手を合わせ、拙い説明しながらたくさんの蓮華経の彫刻を見て回ることしか今の私にはできません。

 来てくださるたくさんのゲストの人生を垣間見ながら、民族を超えて人種を越えて、言葉を越えて共有できるのは何かしらの感情や感動、慈しみ、共感、愛情なのかと思います。そしてもちろん憎しみや対立もそうなのでしょう。

村上春樹はいろんな感情や思いは、地下室に下りていって引き出しにいれておきなさいと言います。引き出しの数が多ければ多いほど、あとで役に立つって。

サングラスを浴衣の袂に入れっぱなしで忘れてしまったスペイン人のニコルが後で一人で取に来ました。見つかってよかった!袂に入れたサングラス。ニコルっぽい!

お寺の片隅の腰かけに座ってひっそりと抱き合っていたベルギーの若いカップル見てて、私は古いからロミオとジュリエット連想してました。若いカップルは今までたくさん来てましたが、モロッコ生まれの彼はヘアも侍チックでブルーのだんだら模様の浴衣がよく似合い、日本の男性からかっこいいと声かけられてました。彼らにとってどんな体験になったのかと思います。

 このゲストたち、いろんな愛を持ってきてくれました。