Break Through

今日のゲストは三十代の三人、ロンドンからの新婚カップルと、男の子二人いる物凄い早口のポーランドのヤングママ、子供はポーランドに置いてきたそうで、バリバリのキャリアウーマンでした。着物の選択も早く、帝釈様まわり庭園見て、蓮華経の彫刻のコーナーに来ました。誰もお客さんいないし、全員三十代で、宗教についてかなり突っ込んだ話をしたような気がします。というかとにかくポーランドママが早口でかつ質問してくるしそれが多種多様で、写真の撮り方のダメだししたかと思うと、墨絵の屏風見てどこで買えるか聞いて来たり、ユニークな彼女が黙って彫刻見ていたのでどう思うか聞いたら、これはフィロソフィーだと返ってきました。

ロンドンのカップルも論客で、それから三人に仏教について質問されたり自分たちの宗教について話したり、本当に大変でした。英語力の無さも痛感してますが、それよりも宗教や生き方、職業観など外国人と話していると自分の思考能力の浅さ、突き詰めて考え語り合うことがあまりにないことに愕然とします。中味もなく言葉も出てこないのに会話は続いていく、四苦八苦、だけどこれが私の仕事です。さらけ出して言葉や考えを絞り出して、会話を続けました。疲れた。でもこれは訓練だなあと思うし、日本人というか私に一番欠けていることです。

 ロンドンの彼は文系で村上春樹もカズオ・イシグロも読んでいるし、好きな映画は黒澤明の蜘蛛の巣城、樹木希林主演の「あん」、これにポーランドの彼女が即反応、ハンセン病患者への偏見?などについて熱く語っていました。村上春樹原作の「トニー滝谷」という短編映画が好きだというのにもうお手上げ、なんでこんなにマニアックなんでしょう。わからないことだらけ、理解できないことだらけなんだけど、目をじっと見ながらいろんなこと話すのは疲れるけど物凄く面白いです。もう、恥ずかしいとか憶するとかいってられなくて、とにかく前へ前へ進むしかありません。Break   Through  という言葉を思い出しました。突破せよ。