九月最後のお客様

 二月の半ばからエアビーの体験をはじめ、ぼちぼちお客様がいらっしゃるようになり、三月半ばから今日まで週三回四人ずつの数のゲストに着付けしてきましたが、今日で一段落というか、十月はかなり閑になりそうです。

今日は最後の大人数のゲストで、一週間前に飛行機が遅れて来られなかったイスラエルからの女性たちが加わり、かつ皆さん少し遅れてきたので、もうバタバタの着付けとなりました。ただそれぞれ自分でロングヘアをまとめてなぜか芸者芸者といいながら簪選んで差してくれたので助かりました。

 イスラエルのゲストはブラジル出身、でもロシアやユダヤも混じっているらしく、宗教などいろいろな問いかけしてくるし、ヴェジタリアンで試食するのもいろいろ制約あるし、化粧品はあるかと聞かれるし、結構大変でした。

 アメリカからのヤングカップルは苗字がNisikawaといい、彼の祖父母が広島出身の日本人、そしで彼はアイルランドの血も引いている、もうよくわからなくなります。

 有り難かったのは目黒から来たMinaさん、韓国人ですが日本に暮らして8年目、オーストラリアの旦那さんと男の子一人いて、フィルム関係の仕事しているパキパキした女性でいろいろな日本の情報をみんなに教えたり写真撮ってくれたり助かりました。

 帝釈様の本堂でお経をあげる声がしているのに驚いて、京都のお寺いってもお経あげてるとこなかったとか、合間の鉦は何のためかとかブラジル生まれのバルバラがいろいろ聞くので、般若心経の知ってる箇所ギャーテーギャーテーハラソーギャーテーと私が唱えたらすごい受けて喜んでいました。当然蓮華経彫刻は感動して写真撮りまくり、随分長いこと見ていました。

 京都に行っているし、Minaさんは舞子の格好したことあるというし、柴又とかうちの着物ではかなわないと思うのですが、着物着せるだけでなく一緒にくっついていって説明したり案内することと、ゲスト同士の会話や情報交換がすごく楽しいみたいだし、ましてみんな綺麗な着物着て道行く人たちに褒められるのもうれしいようです。

 ヴェジタリアンの二人はあんずを試食した店でショウガの中にいろいろ果物などはいった瓶詰やフライドニンニク、その他いろいろ買い込み、喜んではねているし、確かに二人でいろいろ旅行していてもお店に何があるかとかわからないし、こういう体験は有意義だなあと自分でやりながら改めてエアビーに感謝しています。

 雨の中帰りながらまた突然「ありがとうございます」と「ありがとうございました」の違いを聞かれたり、最後まで気が抜けないゲストたちでしたが、帰りは熱くハグしてくれ、主人は喜んでいました。

とりあえず、七カ月頑張り一段落着いた気がします。いろいろまとめたり修正したり、浴衣たちの手入れ、着物の入れ替え、落ち着いてしなければなりません。怒涛の様な日々、たくさんの外国の方々の到来、いつまでたってもパーフェクトにいかない着付け。

と感慨にふけっていたら、ゲストの忘れ物に気が付きました。私のミスです!明日十時に新宿駅に届けに行くことになりました。久しぶりの都心です。買い物してスイーツ食べてきましょう。