ジュノンボーイ

 今日は春にいらしたリピーターの女性がご両親を連れてくるというので楽しみにしていましたが体調不良でキャンセル、気候も不順だし長旅は疲れるでしょうし、着物着て散策も体力が必要ですから仕方ないことです。ということで、ゲストは中国からの若い男性二人となりました。男性のみのゲストはほのかに若いきれいな女性とのめぐり逢いを期待していると聞いたりしているのて、私一人の相手では悪いなあと思いながら二人をお出迎えしたら、十歳年の離れた兄弟で弟君は可愛いジュノンボーイ、自分の着たい浴衣のイメージがあってこの体験選んだようで、スマホでモデルが着ているカッコいい写真を見せてくれました。

 えーっ、こっち系の選択は初めてです。でも以前でしたらできないチョイスが今うちでは楽勝なのです。

京都のひで也工房からお預かりしている浴衣の入っている大きな箱から男物だしてみたら、小柄で細身な彼にピッタリのが何枚もあります。なかなかこのタイプの浴衣着こなせる男の子はいないので、千載一遇のチャンス、急遽ファッションショーすることにして、とっかえひっかえ五枚着せて写真撮りました。着物は着る人がいるから存在するものだけど、着る人に巡り合わなかったらずっとしまわれたままいずれは捨てられてしまいます。前に焼却炉に入る寸前の加賀友禅の着物いただき、ベトナムの女の子にさし上げたらとても喜ばれ、アオザイメーカーのママから私サイズのアオザイを作って送っていただいたことがあり(わらしべ長者の様な話ですが)世界レベルで考えた方が着物の着手は見つかると最近つくづく感じています。

 私の年代でレンタル着物を扱っている方が増えてきましたが、普通に着せるだけではなかなか需要がないのは今までの経験でわかっています。でも私にとって本当にありがたいのは娘の存在で、彼女がやってきた新しい分野の着物の世界やそこでかかわってきた方々のサポートが、これからの発展にむけての物凄い財産であると痛感しています。

 ぴったりフィットしてもレンタルの場合買うわけでもないから本当に一期一会の感覚の共有に過ぎないし、舞台芸術のように終われば消えてしまうもの、着物を所有するのでなくその時その着物をまとった自分が存在したということだけなんだけれど、カラオケやスイミングが好きで「一リットルの涙」の主題歌にはまっているジュノンボーイ君の楽しそうな顔と、温かく見守るバレーボール好きの高身長の誠実なお兄ちゃんの姿をみていて、改めて着物の持つ力、誠実さを感じました。

 明日はハワイからのカップルと中国からの女性三人、急遽参加するハワイの彼は113㌔、うーっ、どうしよう!

そしたら娘からハンガリーのファミリーにデニム着物アレンジして着せた写メが届きました。そうか、そっち路線もありました。

でもどうなるか、人数多いしこれからあらゆる事態を想定して準備準備です。