どこでもドア Anywhere door

 昨日はフランスのパリからの新婚カップルと、オーストラリアからのヤングママと義理の妹さんがゲストでした。実はヤングママはかなりふっくらした方で、自分のスリーサイズを細かく書いてきて着れる着物があるかどうかと問い合わせてきたのですが、熟考の結果イエスと言ったからには、何としてでも着せなければならず、私の秘蔵品も全部出してやっと一枚何とかなりました。

主人はいつも無理なサイズの方は断れというのですが、私としては何とか着せてあげたくて、でも本人が満足したかどうかは別問題だし、微妙な所です。14歳の義理の妹さんは紺地に花模様の単衣をきてピンクの花を頭に飾り、清楚で可愛くて、着付け終わったらぴょこんとお辞儀してお礼を言ってくれました。

 フランスの旦那さんは英語が好きでないようでなんと片言の日本語で頑張り、ズボン脱いでステテコはいて、高身長用の袷の着物着て下駄履いてかっこよく、やはり高身長の奥様はベージュの花柄の単衣にオレンジの帯選んで、フランス人のセンスだなと感心しました。オーストラリアのふっくらしたママの前がはだけないよういつも付き添いながらなんとか柴又行き、おだんご食べ、駄菓子屋さんで沢山買い物するのに付き合い、無事家にたどり着きました。良かったか悪かったかわからないけど、最善を尽くしたし、義理の妹さんはほんとに喜んでいたし、ただ、体験をあと三つするらしく日本舞踊とか茶道とかいってたから、うちで味わえなかったことはまたよそで体験してくれればいいと思ったりしつつ、商売とは難しいものです。

 フランスの旦那さんは絵が趣味でいろんな作品をスマホで見せてくれ、アパルトマンのバルコニーから見たパリの風景の絵が素敵でエッフェル塔もあり、それ見ていたらうちへ来てくれているゲストの方々の街や家を知っているような気がしてきました。

ドラえもんのどこでもドアではないけれど、私の中にはドアがいっぱいあって、ここ開けるとロシアのサンクトペテルブルグで歌を歌う人形くれたマリアが出てくるとか、ここ開けるとパリのアパルトマンとか、考えていると楽しくなります。

 

 ふっくらした彼女が着物姿引け目に思わないよういろいろ話したり付き添ったりして、とにかく今日はしゃべりまくっていました。着物をきれいに着せるということが一番の売りなのにそこが不安ではどうしようもありません。でも彼女に着せたグレイの花柄の着物、ほんとにがんばって彼女の体を包んでくれてました。

義理の妹さんはほんとに楽しかったようで、しっかりハグしていきました。明日も楽しい体験できますように。