水に流して

昨日のフランス人のカップルはハネムーンで三週間日本をまわるとか、時間があるというので少し遅くまでいてお茶も点てて飲んで行きました。割とひょうきんな旦那さんは料理も得意だし奥さんの洋服も選ぶそうですが弱点が一つ、歌が下手だそうでフランスでは下手な歌を歌うと雨が降るというのだと教えてくれながら、歌っていました。バイオリンを弾く奥様は正しい音感持っているから歌うまいよと自慢して、私がエディット・ピアフ好きだと言ったら奥様が間髪入れず「水に流して」を歌いだしました。

Non, rien de rien  もう いいの
Non, je ne regrette rien  もう 後悔しない
Ni le bien qu'on m'a fait  昨日のことは
Ni le mal, tout ça m'est bien égal すべて 水に流そう
Non, rien de rien  もういいの 
Non, je ne regrette rien  もう 後悔しない
C'est payé, balayé, oublié みんな いまじゃ
Je me fous du passé すぎた 昔のこと

私もフランス語で歌えればよかったとふと思いました。

ほんとに不思議なものです。私の大好きだったもの、原点となるものを、うちに来るゲストは知っていて、すぐ差し出してくれるのですから。

単一だった私の感情が、すこしずつ複雑になっていく気がします。想像も予測もできない出会いが続いていきます。