柴又からの贈り物 紬屋吉平

 柴又の参道の方々は皆親切でいつも私たちに声をかけて下さるのですが、その中のお一人が家をリフォームするので箪笥にたくさん入っていた着物の処分をしたいという方に私の仕事のこと話して下さり、御縁ができてすべて着物をいただけることになりました。

 踊りをやっていたそうで、舞扇とかもありましたが、とにかく紬の好きな方で単衣や紋付きまであります。古いたとう紙は着物に良くないと読んだことがあるので処分していたら「紬屋吉平」と書かれたものがあり、有名そうですぐネットで調べたら銀座の老舗でおかみさんは浦澤月子さん、何年か前に店は閉じられたそうです。色々調べだしたら知らないことばかりだし、銀座のお店には著名人もたくさんいらしていたとか。

 またまた物を知らない私が価値のある着物を手にしていることがわからないでいるのです。これだけの着物ならしかるべき業者に査定してもらえばいいのでしょうが、やはり着込んだものは汚れもあるし安く買い取られて、違う方のもとへ行ってもまた箪笥の中にしまわれたりしがちなのはわかっています。

 さあ、どうしましょう。わりとたっぷりした寸法のものもあります。この着物たちを着こなせる外国人、日本人を探す方法をさがしだしましょう。エアビーのゲストの数が400人を超え、このところ予約も減っています。新しい趣の着物をどう知っていただくか。紬の風合いをどうわかってもらうか。じっくり考えていきます。