仁左衛門さんの助六

 何処へも行かず、一生懸命働いていたら、神様がご褒美をくださいました。

いつも歌舞伎座の招待券下さる方から、突然行けなくなったほかのお客様の券がまわってきたのです。今凄い人気でチケット取れない仁左衛門さんの助六です。水曜日なのになぜか予約も入っていないので、ゆっくり着物着て久しぶりに歌舞伎座入ったらびっくり、手持ちの中で最上級と思われる着物を着たご婦人たちがあふれかえり、あと主人くらいの年代の男性が高齢のお母様連れてたくさん来ていました。何十回と来ていますがこんなこと初めて、美容院で髪を結ってきた方もたくさんいて、仁左衛門さんはいい男だからみんな敬意を表しているんでしょう。普段歌舞伎座に来ない方が頑張ってタクシー使ってでも車いすででも来てるんです。いやはや、この高齢者層が高いチケット代出してくるんですから、経済はこういうもので回っていくんだと感心しました。

 身体もそんなに丈夫でないし体力使うからこれが最後の助六になるでしょうとのコメントもあったから大事に見ましたが、お孫さんの千之助君とのからみの場面では心打たれるものがあり、何より隔世遺伝か千之助君の才能や持って生まれた「華」には驚かされました。

 この前紬をたくさんいただいたので、お客様が着ている紬もじっくり見てましたが、うちにある紬たちは最高級品だとわかり、昨日からボディに着せて久しぶりに玄関に飾ってありますが、訪問着や小紋着せている時より通行人の視線を集めています。紬の方が着やすいので親しみやすいかものしれません。着物を引き取ってもらえるかとか、外国人来ている時見学したいとかさまざまな問い合わせも増えてきています。

 外国の方が紬着るかどうかわかりませんが、これから柴又に行くときなるべく私が着ていけばいいし、最近お茶のお稽古洋服なので頑張って紬着ていこうと思います。いろいろな御縁がいろいろ回ってきています。ありがたいことです。