チェブラーシカ(Чебурашка、Cheburashka)

 今日のゲストのロシア美女は今までのゲストのレビューの写真の中に着たい着物と帯があると、来るなりそれをスマホで見せてくれました。クリーム色に蝶々がたくさん舞っている小紋に手描きの桜の帯でしたが、もう秋なので帯は代えてもらいましたがちょっと残念そう、でも黒地の豪華な袋帯に鮮やかな黄色の帯揚げをのぞかせ、帯締めは意表をついてあえて白、センスが良くとてもきれいでした。サンクトペテルブルグからの一人旅で、ほかのゲストに沢山写真を撮ってもらっていて、陽気で明るい女の子に見えるのですが、時々すーっと静かになり淋しげな雰囲気になるのです。「ボーイフレンドも友達もいないの」えーっこんなにきれいで素敵なのに・・・

 体験が終わって帰る時、私が玄関に置いてあったロシアのチェブラーシカという人形のお腹押して歌わせ、何と言っているのか聞いたらげらげら笑いだして「僕には誕生日に呼ぶ友達もいない」と悲しく歌っているのと教えてくれました。そんな悲しいキャラクターなのとびっくりして今パソコンで調べたら

南国産のオレンジの入った箱と一緒に詰められてやって来た、小熊の中間のような外見の不思議な小動物(男の子)で、「正体不明」という設定。これが、物語の重要な核である。チェブラーシカとは、「ばったり倒れ屋さん」という意味で、「ドスンと落ちる」等の意味を持つ古い俗語「チェブラハッツァ」(чебурахатьсяcheburakhat'sya)から来ている。彼は、アイデンティティを求めてさまよう。「友達の家」を作ったり、ピオネールに入隊しようとしたりする。天涯孤独であり、さみしがり屋である。とありました。ロシア人はどうしてこんなキャラクターを作ったんでしょう。不思議だけど、今日のゲストも少しそんな雰囲気を持っている気がします。そしてこの人形がどうしてうちの玄関に飾られているのか、これも縁なのでしょうか。

 若い頃若山牧水の短歌が好きでした。暗いとか孤独とか言われるけど、自分の本質から目を背けてはいけないと今になってわかりました。

             幾山河越えさり行かば寂しさのはてなむ国ぞ今日も旅ゆく

 言葉は違っても国が違っても、感性の本質は一緒なんだなあと思います。