カイゼン

 最近事業主とか企業コンサルタントのゲストが増えてきました。どこにお泊りですかと聞くと、品川プリンスとかホテルニューオータニとかいうのでちょっとびっくり、民泊に泊まっているゲストが減ってきた気がします。面白いのは皆さん服装に気を使わなくて、謎のガールフレンドを連れていることで、夫に言わせるとそんなの当たり前だそうです。

 昨日のオーストラリアからのゲストの男性は主人とは接骨とかウイスキ―とかの話、私とはアニメや宗教や自然についていろいろわかりやすく話してくれ、日本人も含めて10人でコンサルティングの会社を興しているというから、人の気をそらさない会話をしてるれるのは仕事柄なのかもしれませんが、トヨタの”カイゼン”にならって、謙虚で誠実な会社運営をアドバイスしていくのだそうです。

 柴又を特集した雑誌や人気テレビ番組の取材も増えて、最近はなんだか賑やかになってきた気がしますが、私はいつまでも異邦人だし、ゲストに柴又の歴史や成り立ちはあまり説明しないで、宗教観や人生観や音楽文学、国や民族の話などで上手く噛みあって話ができた時の喜びを求めています。

 今日のゲストの女性は、髪をピンクに染めたちょっと不思議な感じのするふっくらしたアジアの方でしたが、控えめでいつもニコニコしていて、彼の少し後をそっとついていく、昔の日本女性のようでした。お馴染みのお団子屋のおかみさんが、「奥様?でないでしょ?」と小声で耳打ちしてましたが、そんなことどうでもいい気がして、彼女と私のツーショットを撮ってもらって後で見たら、私がいつになく優しい頬笑みを浮かべていて、これをエアビーのプロフィール写真に変更しました。彼女の優しさが、私を優しくしてくれたようで、だから彼が彼女と一緒に日本を旅行しているんだと、ひそかに納得しました。ピンクの訪問着を着て、嬉しそうにポーズを取っていた彼女の姿を、今もふと思い出します。