幸せ

 十二月はせわしないせいかバタバタで、24日のクリスマスイブに来るはずだった二組のゲストが飛行機が予定通り飛ばずキャンセル、26日に来るはずだったイタリアのカップルは待てど暮らせどこないで、結局フィリピンからのゲストだけになりました。家族四人で来たものの、娘さんだけ着物着るということでご両親とお兄ちゃんは見学とのこと、でもイタリアのカップルのために用意した着物があるので、まず親しみやすいお父さんを口説いて着物着せ、クールなお兄ちゃんもコート脱がして着せたら、あらかっこいい、刀持たせ弓矢持たせ写真撮り、きれいな訪問着着て素敵に変身したお嬢さんと花模様の羽織だけ着せたお母さんと一緒に温かい家族写真が撮れました。

 お父さんたちは普通の洋服に戻り、娘さんだけ白いショールかけてすっかりお正月モードになった帝釈様へ出かけましたがお寺のお庭も人が誰もいないしお店もお正月に備えてお休みだったりして、いつもと勝手が違くて戸惑いましたが、エンジニアのお父さんとハウスキーパーの仕事している静かなお母さんはいつも手をつないで歩いていて、そういえば今までもフィリピンのご夫婦は仲良かったなと思い出しました。二人の子供は大学生、娘さんにボーイフレンドいる?なんて聞いたら、「ベルギー人!」と返事が返ってきてびっくり、オンラインで知り合ったそうです。背が高くてかっこいいらしく、お父さんが「次は彼と来るのかな」なんて言ってて、いやはや最近の恋愛事情は日進月歩です。

 お父さんは五十半ばなので会話がしやすく、音楽の話すると「レイ・チャールズが好き」とのこと、若い子と話していると出てくるシンガーの名前(それも日本人のマイナーなグループだったりして)全く分からず苦戦していたので、本当に今日は楽で楽しかったです。

 今夜は上野公園行って写真撮り、明日は大阪とか、しっかり手をつないで帰っていくご夫婦と子供たち見送りながら、ゲストの方々から与えられる豊かで複雑な感情の幅というものについてしみじみ考えました。いろんな国からいろんな民族の方がいらっしゃいます。自分の感情が狭くて単一だった今まで、何をしようにもそれが足かせとなっているのが歯がゆくて、でも動けませんでした。たくさんの外国人とひと時を共有しそしてハグして別れて少しずついろいろな感情をもらってきた今、だんだん物事が違って見えてきています。

 「人生は素晴らしい」

二年前民泊をしている方から頼まれてオーストラリアの助産婦している女の子に浴衣を着せに行ったとき、お釈迦様が好きな彼女が習字のうまいホスト夫人にブッダの言葉を書いてと頼み、なかなか言葉が浮かばず最後に彼女が書いたのがこの言葉でした。

 「人生は素晴らしい」

心からそう思います。

  上の写真は前回のマックウィーン君、はなちゃん、こころちゃんのです。今回のが写真なくてごめんなさい。