異分子

 昨日は初釜の後の初めてのお茶のお稽古でしたが、私のお茶における立場はだんだん厳しくなってきていて、普通でないということが先生方に迷惑をかけているという事をひしひしと感じ、何も考えずお茶を点てているときはいいのですが、会話だったり雑談だったりが全くできず、ノーマルな人間でなければこの世界にいることはできないとつくづく思わされました。うちに帰ってからも何もできず考えられず苦しくて、夫に「そんなに嫌ならとっととやめろ!」と叱られました。お茶は大好きな世界なのになんでだろうと思いますが、日本にはじめてくる外国人がお茶を体験できる場所がないという事を聞いたことがあり、うちなどもとの待合室でポットでお茶点て椅子に座って飲むというとても簡単なお茶体験ですが、結構皆さん喜んでくれます。肌の色が違ういろいろな国の方々に私の着物はじめいただいた訪問着などお着せしたりすることはお茶の世界ではありえないし、何考えているんだろうと非難されることなのでしょう。

 やはり着物のことで先生から初釜の時注意を受けたお茶の先輩から先ほど着物のことで問い合わせがあり、ちょうどその方サイズの着物をたくさんいただいたところなので、着ていただけるのならとてもうれしい限りです。私がしたいことはこのように日本人でもお茶など着物を必要な方にお着せすることでもあります。千住真理子さんのバイオリンのCD聞きながらお茶の先輩に似合いそうな着物や帯を選んでいたら、江戸小紋に宝船に乗った賢人たちの模様の名古屋帯が面白そうでボディに着せてみました。渋くてゴージャス!こんなにいいものがたくさん埋もれているのです。先輩がうちの着物着たいと思ってくださったことに感謝しています。一人の方がそう思うことによって、たくさんの着物や帯たちが動いていきます。

 異分子は表に出ないで裏でうごめいていましょう。たくさんの方たちの好意と思いやりとご縁に心から感謝しております。