心の言葉は一つしかない

 去年は忙しくて3キロ痩せましたが暮れから暇になってあっという間に4キロ太り、着るものがきつくなるし、たまにゲストがレビューに私も写っている写真を載せてくれるのですが、はみ出した贅肉が目立つようになりました。きついサイズを無理して穿いていると余計太って見えるので、久しぶりにいつも行く五反田のアウトレットのお店に行って、仕事着?をいろいろ買ってきました。いつもは着物の組み合わせに苦心しているのですが、今日は洋服をとっかえひっかえ試しながら鏡見てて、ゲストが一番似合う着物探して四苦八苦している気持ちがよくわかりました。

 戦利品抱えて帰ってきたら、ボヘミアンラプソディーの映画を見に行った夫も帰ってきて、最後にエイズになってやせ衰えながら”We are the champion"歌うフレディを見ていて泣きそうになったと言ってました。うちにはいろんなゲストが来てそういう方もいましたし、写真撮ったり一緒にたばこ吸ったりする夫は私より彼らとコミュニケーション取っていて、否定はしなけど理解できないとなんとなくため息ついていました。人生は思い通りにいかない、自分の根本的なアイデンティティとか性が普通と違っているといわれても自分の中でそれが正解ならばそれを貫きとおすしかないんだけど、ディープなシーンもあったようで男性のほうがいろんなことを生理的に受け止めるのは大変なのかもしれないと夫を見ていて思います。

 株は下がったままだし飲み友達の先輩は重い病気になるし、いいことがないと嘆いて寝た夫が朝早く起きてきて、たまたま私が見てた朝早くにやっているドイツ語講座の、ミュンヘンのシュバービング地区という美術館やミュンヘン大学がある素敵なところで暮らす芸術家老夫婦の会話など聞いていたのですが、本当に世界にはいろんな人々がいていろんなことをしていて、私たちはただその多様性を知らないだけだとあらためて感じていました。夫はまた寝てしまい、それから私は関口知宏さんのヨーロッパ旅日記のハンガリー編見ていて、オスマン帝国に長いこと侵略されていた街が今はクロアチア、ドイツ、ハンガリーの民族が一緒に暮らすようになり様々な苦労しながらも民族間の垣根なく異文化を取り入れ、ルーツにこだわらない心の言葉で通じ合っていくというコメントに心打たれました。

 そのあとラジオでスペイン語講座聞いていたら、パラグアイの友人と沖縄のひめゆりの塔に来ていた日本人の女の子がその悲劇を嘆いているスペイン語の会話が続き、テキストには「1846年にアメリカ・メキシコ戦争が起き、メキシコが負けてカリフォルニア、ニューメキシコ、ユタ、アリゾナ、ネバダなどメキシコの国土の半分以上がアメリカ合衆国のものになりました。」とありました。

La guerra mexicano-americana que comenzo en 1846 y ternimo en 1848. Mexico salio derrotado. Perdio mas de la mitad de su territorio. California,Nuevo Mexico,Utah, Arizona,Nevada,etc.pasaron a ser propiedad de Estados Unidos.

また1864~1870年にパラグアイと三つの隣国との間に大きな戦争がありました。おびただしい戦死者が出た大きな悲劇でした。

La guerra del Paraguay o de la Triple Alianza fue una autentica tragedia pues se cobro un altisimo numero de vidas.

 

 今私が見たり聞いたりしている語学番組のレベルの高さというか、単なる文法や会話の習得以前の文化や歴史への深い洞察には本当に驚かされます。私が知らないことが多すぎるのですが、ビートたけしの新しい本”「さみしさ」の研究”に、「自分がいかに知識がないか、知らないことがたくさんあるかを知ること。それしか自分を客観視できる力を鍛える方法はない。」とありました。日本の中だけにいるのではなく、外国にいたり外国人と交流していると物凄い緊張感があるし、無知だから進んでいっている気もしますが、それに加えて、人生には表裏がありその陰影がわかりその行動が許せると思えるようになるかどうか、人生を正視できる勇気を持てるかどうか、曽野綾子さんの問いかけです。難しい、厳しい問題です。でもうちの場合着物を着てもらえます。心強い助っ人がいるのです。何か違った切り口で理解が深まるのかもしれない、未知の世界だし未知の感覚なのかもしれません。

一週間ぶりの明日のゲストは五十代の女性二人で、お一人の姓はKinositaさん、もしかして日本語堪能なのかしら。何を着てくださるか楽しみです。(黒留袖、色留袖、訪問着、紬? )乞うご期待!