池江璃花子さんのこと

これは本当にショッキングなニュースでした。あんなに優秀で明るくて素晴らしいスーパーアスリートがなぜ今こういう病気にかからなくてはならないのか、信じられないことです。でもこの事実はスクープでもなく、水泳連盟の発表でもなく、池江選手が自分でツイッターで公表しました。彼女は混乱しながらも戦う準備をはじめ、「神様は乗り越えられない試練は与えない、自分に乗り越えられない壁はないと思っています。必ず戻ってきます」と宣戦布告しています。才能があってチャンスがあってサポートされて頂点に昇りつめようとする寸前で、なぜ今神様は試練を与えるのか、でももしかしてこのまま進んでいくことが彼女に良くないことだったからこんな形でストップをかけたのかもしれないと思い始めました。

 柔道八段だった亡き舅は若い頃は猛烈な稽古をしてきた人で、次女が小学生のころスイミングスクールでハードな訓練をしていた時、過激なスポーツは人間の体を壊すといつも言って気を付けるよう忠告していました。頂点に登り詰められるのはほんのわずかな人たちですが、それが彼らにとっていいことだったのかどうか、最後までわからないのかもしれません。

 スケートの羽生選手は二回金メダルとったけれど怪我を繰り返し、練習もなかなかできない時期が続いていましたが、もしフル回転ですべての試合に出場していたらとっくに彼の寿命は尽きてしまったかもしれない、練習ができない間、考えて悩んで落ち込んで奮い立たせて、そして勉強して彼は生まれ変わっていきます。

 神様は池江選手に何をみせたいのでしょう。何を啓示したいのでしょう。

 こうやって混乱の中から若者たちが起き上がって進んでいきます。凄まじい生き様をしていかなければならない時代にもうすでに突入しているのです。