春分の日

  英会話のレッスンから帰ってきた夫が「春分の日って英語でこういうんだよ」と教えてくれた言葉が全く聞いたことがないものなので、最近新しい言葉は覚えられないから、無視!してしまいました。(翌日夫も忘れていました)

 今日のお客様はちょうどお彼岸の入りにいらっしゃるので、もしものために「彼岸レジュメ」を作っていて、equinox(分岐点)という言葉が出て来たので昨日夫が言っていたのはこれかしらと思いましたが、なんとラテン語っぽい、覚えられないわけです。

 今日は夫がゴルフでいなくて、15歳のなじみのはなちゃんと柴又の方でホテルのブライダルで27年衣装合わせの仕事をしていらした女性がヘルプで来てくださいました。13歳で155 センチのシンガポールから来る女の子に何を着せるか迷いに迷っていて、小さめの着物や帯を出し、長襦袢に半衿付けたりバタバタしているうちにゲストが到着、後手後手で私が混乱している中で、ホテルで働いていた女性は丁寧に挨拶なさり優雅に対応して下さるので、やはり違うなとつくづく感心、でも13歳の女の子は青が好きだと大人物の訪問着に渋めの袋帯を選び、それをちゃんと着せていただけて勉強になりました。

 もう一人シンガポールから来たフィリピンの27歳の女性はピンクのバラの小振袖に総刺繍の袋帯締め、髪はあえてダウンヘア、ミンクのショール羽織って柴又行きましたが、15歳のはなちゃんと身長一緒で二人で仲良く話しながら歩き、写真もはなちゃんに気軽に頼んでとてもいい雰囲気でした。それにしてもはなちゃんのアダルトな適応力は天性のだと、つくづく感心しました。帰り際、素敵な羽織をプレゼントに選んだあと、本当に楽しかったと丁寧にお礼言われたとき、トータルでうれしくて涙が出ました。着付けしてるとき離婚して子供二人両親が面倒見てると話し、ティーセレモニーの時、片手が少し不自由で飲みにくそうだったりしてたのですが、はなちゃんにたくさん写真撮ってもらったり、メール交換したり、考えてみたら日本の女の子と親しく接触できる機会もなかなかないし、心から信用できる安堵感が彼女からあふれていて、それが何よりうれしかったのです。

 彼岸とは仏教の言葉で、悟りの世界、彼方の岸、魂の世界を意味するそうですが、一期一会かもしれないこの出会いを喜んでくれた、人間の暮らしとはそういう気持ちの積み重ねがあることがどんなに救いになるだろうと感じられて、ほのぼの幸せでした。