内向的なアメリカ人

 お茶会が終わってほっとしたのもつかの間、毎日珍しく予約入り、他のルートのお客様もいらして一日ハードに仕事しています。おとといは初ギリシア(に住むチェコ人でした)とジョージアに住むアメリカの女性でもう一人来るはずのチリ人の女性が一時に送ってきたメールが、電車を間違えて今名古屋だとのこと、もう無理だから明日来てとメールして、二人連れて柴又へ行きました。アメリカの女性のエアビーのサイトに、旅行が好きだけど内向的とあったのが気になっていて、今一つはじけないで散策していたのですが、背が高くて生粋のアメリカ人のアリエルが私の深いブルーに大きな菊が咲き乱れている訪問着を着て、中学時代の恩師に頂いたクジャクの帯を締めて歩くと綺麗で立派で、ずいぶんたくさんの人に声をかけられました。参道で高齢の女性に日本の着物を着てくれてありがとうと言われた時はっとしたのですが、この私の結納に着た着物(正直高価です)、日本人が着るには派手で目立つので私は二回娘が一回着ただけで、普通ならタンスにしまいっぱなしで終わりなのですが、こうして外国人に着てもらって多分50回ぐらいになります。襟のファンデーションはどうしても取れないし、袖付けはほつれてしまいますが、毎日お座敷がかかる売れっ子芸者の彼女はやっぱりきれいです。

 着物の良しあしは外で日の光を浴びたときの輝きでわかると言われますが、ただでさえ綺麗な外国人がこの着物着て帝釈天の本殿の前に嫣然と佇むのを写真に撮っている時、この瞬間が一番うれしいのです。昨日来たアリエールのレヴューにMy family loves the photosとありました。内向的?な彼女と時を過ごして、私もそうだし性格や性癖を変えることは難しいし、まずそれを認めてとことん付き合って自分のものにしないと自由な気持ちにはなれないと64歳にして私はやっと悟りました。でもアリエールはそれをはっきり言っている、そこから始めたいのでしょう。24日は誕生日だと言っていました。おめでとう! そして私の着物を着てくれてありがとう!