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平成の最後の日に来た女の子三人のゲストはアメリカの大学でデザインを学んだ同窓生で、ボストンから来たアマンダはヨーロッパの血をひく長身の爽やかな美女、韓国がオリジンのChoohyunはダメージ受けた地毛を隠すため長い三つ編みの付け毛つけた普通サイズの可愛い子で、グアテマラ出身のニキは小柄だけどいつも笑っている朗らかな女性でした。ほんとに背の高さが大中小で、写真撮るときその都度配置変えて、中大小にしたり大小中にしたり目まぐるしく移動してコロコロ笑っているのですが、アーチスティックでユニークな彼女達の会話はおもしろくて、長身のアマンダはサイエンスの読書が好きな理系女子なのですが作っているのが大きなパペットで、どういう風に動かすかがポイント?だそうです。ニキはいろんなデザインしていてスマホで見せてもらったけど、素敵でした。最近物を作る仕事しているゲストが多い気がしますが、着物の素材とか風合いとか興味ありそうで最後の着物プレゼントの時、しっかり探して選んでいきました。

 文化の東漸、西から来た文化が中国を通り、朝鮮半島を経て、日本にたどり着く、そして日本でゆっくりと豊かに融合(フュージョン)され成熟していく、新しい年号の令和の令の字の意味はうるわしいということで、善と並び美しさの最上級の言葉で、これと和を組み合わせることでぼんやりした平和ではなく麗しい平和を作って行こうという合言葉になる、ゆっくり成熟していく融合のさまの象徴のようです。

 令和の典拠となった万葉集は文化の東漸の中で形成された、グローバルな口承文芸であり、口言葉、唇言葉というものを持っているのが万葉びとであって、立脚点が「日本人」ではなく「人間」なのだそうです。歴史は700年単位で見ることが出来ると思うと令和の考案者と言われる中西進教授は言います。古代は情の時代、中世以降は智の時代、そして近代は意志の時代でありそれは始まったばかりであるから、一人ひとりが自覚して良質な意志を持つことによって、全体が大きな意志を決定できる、AI時代にはそうした「生きる意志」がますます重要になると述べていらっしゃいました。 

 ゲストの三人の女の子に感じたのは何かに向かって進んでいこうとする健やかな良質な意志であり、異文化に対しても何らかの共感できる感覚を求めている気がして、年取っているけど私もそれは同じなのです。生きる意志をどうコントロールしてどこへ運んで行けばいいのか。正念場ですが、ゆっくり時間かけて考えていきます。