七五三の前撮り

 母が入退院を繰り返していた時お世話になった看護師さんがお嬢さん二人の七五三の写真の前撮りをするそうで、パパママの着物をそろえ、ママの着付けだけさせていただきました。日頃外国の濃いいお客様が多いので、主役の子供たちを引き立てようとグレイの花柄の訪問着に金の袋帯を選んだママはとても品がよく、素敵でした。大柄なパパはとても暑い日だったのでブルーの結城紬の単衣に角帯をえらび、写真館で奥様に簡単に着せてもらう事にしました。この結城紬、紬屋吉平という有名なお店であつらえた一つ紋入りの女物の単衣を男物に仕立て直していただいたもので、どんだけの値段だか見当もつきません。男物ですと背中の紋はいらないのですが、とても素敵な縫い紋なのであえて残してあります。布地のつやや肌触りがすばらしく、まったく未使用で頂いたので着物も初めて日の目を浴びるのですが、七五三のお祝い事に着てもらって記念の写真を撮られるなんて予想もしていなかったでしょう。そういえばうちの着物たち、みんな予想もしていなかった着物人生を送っています。

 帰ってきた皆さんは暑くて疲れ切っていたので感想も聞けなかったのですが、おととい送られてきた写真の皆さんのお顔の表情がとても素晴らしくて、嬉しくなりました。ほんとに良かった。こういう時、着物をくださった方々のご厚意と着物に対する愛情が満ちていることを写真の中に感じます。ブログに出す許可もいただいたので、皆さんに見ていただきます。

 おめでとうございました。