新しい感謝

 新しいご縁で日本の素敵な紳士が深川の材木問屋の御隠居さんが着ていらした、夏物の渋い着物を着て刀を構えポーズをとって下さいました。考えてみたらこれははじめてのケースです。最近男物の着物が充実してきて夏物だけでも20枚以上あるのですが、紬や京都のデザイナーの浴衣は外国の方に着てもらえますがこの着物はなかなか出番がなかったので、着ていただけて本当に嬉しいです。

歴史が好きで博学な梅本さんがこのお姿をどんなシチュエーションでお外で見せてくださるのか、楽しみにしています。外国人に的を絞りすぎて、足元を忘れてしまったことを反省しつつ、たまに歌舞伎見物に着物姿の男性がいらっしゃるとつい振り返ってしまうこともあり、若い男の子が浴衣を着だしている昨今、中高年も洒落た着物を着て街を歩いたら本当に素晴らしいと思います。

こういう着物めったにないし、うちにあるのは深い縁があるからなのですが、ゲストと一緒に歩いていると道であった知り合いのおばさま方が「その髪飾り私が作ったの」とか「若い頃愛用していた着物バッグ使ってくれてる」とか「それは母が縫ってくれた着物なの」とか言って下さって、みんなびっくりしていますが、そういって下さる方々のお顔がみな優しく嬉しそうで、いつものごとく着物の力は凄いなと思っています。

 今日は柴又で花火大会があって、若い子たちが浴衣着てたくさん歩いていました。中高年はお外の雑踏は暑くて危ないから、来年は安全な場所で夏の着物さらりと着て花火見物などいたしましょう。