エドワード・ホッパー   Edward Hopper

 若い時は好きな画家は?と聞かれてゴッホと答えていたのが、MOMA展か何かの時これを見て衝撃を受け、それから何枚か同じ画家の絵を探して見ましたが同じインパクトをいつも受けてしまい、エドワードホッパーという名前を覚え、そして”My favorite painter"となりました。アメリカの 都会や風景の中に不安さを描きだし 都会の空虚、孤独、倦怠を、独特の寂しい景色として視覚的なかたちを与えたと解説にはありました。やっぱり私の心象風景はこうなんだとあらためて思い知りましたが、おととい短編画廊「絵から生まれた17の物語」In Sunlight Or In Shadow~Stories  inspired by the paintings of Edward Hopper    という本を買って、その序文を読んでちょっとびっくりしました。

 ”ホッパーの絵に強く惹かれるというのはアメリカだけでなく世界においても珍しいことでもなんともないし、その傾向は読書家と作家においてとりわけ顕著である。

ホッパーの関心は意味や物語にはなく、形と色と光そのものにあり、彼の絵は物語を語らずただ絵の中に物語があり語られるのを待っていることをただ示唆している。彼はある一瞬を切り取って我々に提示し、その一瞬には明らかに過去と未来があるが、それを見つけるのは自分たちの仕事だ」と。

 私だけじゃないんです、ホッパーの絵を見てて、この感覚知っている、それからどうなるのか、今までに経験したことがある、そしてここからまた進める!というデジャブ(既視感)。このガソリンスタンドの風景、どこかで見たことある、いつか誰かが見るかもしれない、ああだからこの絵の中にみんな物語があるのです。

 今まで来たたくさんのゲストのこと考えながら、この本の17の物語を読んでみます。