フィンランドとスリランカの恋

 毎日30度を超す日々が続く中で、きょうは若い小柄な女性ふたり、シンガポールとフィンランドから来てくれました。しっかりした次女で女医さんのテオはコロコロ笑いながらたくさんの着物を前に長考、やっぱりゴージャスな袷の訪問着を見てしまうと着たくなる様で暑いからうちの中だけでと念を押して、ブルーのお花模様の着物に赤い帯を締めました。フィンランドのサンナは今までのゲストの着物の写真見ていて、これがいいと指さしたのがちょっと渋いピンクに貝殻細工の刺繍のついた訪問着で、とてもよく似合って素敵でした。初めての日本でまだ食べ物にも慣れていないようですが、文化や着物にあこがれていて(そういえば前に来たヘルシンキで看護師さんしている女性が着物を着るのが子供のころからの夢だと言っていました。)いろんなポーズとったり刀持って構えたり、初めてなのにお茶も上手に点ててくれてそれを飲んで美味しいと私が言ったら本当にほっとした様子がかわいらしかったです。今までのフィンランドの女の子と違って、インド?アラブ?系のタイプなので聞いたら、お母さんはスリランカの方でフィンランド人のお父さんがスリランカを旅した時恋に落ちて結婚したそうです。彼女は幼稚園の先生で、私たちの英語が時々聞き取りにくいか理解しにくいようで何回も聞き直され、両親は英語で会話するそうですが幼稚園や町ではスオミ語というフィンランド語を使うのかしらそうしたら彼女の母国語は何なのでしょう。どこに属しているのか本人もわかりにくいのではないかと思うほどいろいろ込み入っている気はするのですが、外国ではこんなこと当たり前だろうし、とにかく私は彼女が何をイメージしているのか探りつつ着物を着せ、ちょっと日本髪風に自分でアップしてきたので舞妓さんの写真見ながら簪や稲穂や櫛などたくさんつけて、いろんな写真を撮りました。こんにちはと言ってお辞儀したり正座したりお茶点てるのは動画で撮ったり、いろいろ考えてきているようでした。

 あまりに暑いので、シンガポールのテオは薄い単衣に着替えてもらったのですが、サンナは訪問着に袋帯でお寺行くと言うのでそのまま、扇子であおぎながら柴又へいき平日なのであまり混んでない帝釈様をゆっくり楽しみました。誰もいないと思ったら着物を着たグループがたびのままお寺の庭に降りて(立ち入り禁止の区域です)写真撮っていて、でも訪問着きれいに着てる、背が高いとかいろいろチェックしていたら、浅草で着物着てここまで来たそうで、やっぱりだんだん着物のレベル上がってきているなと思いましたが、写真だけ撮って彫刻は見ず帰って行きました。考えてみたら中国のゲストと宗教の話とかしてこなかったし、関心の持ち方が違うようで、うちはテオもサンナも彫刻版に見入り、説明を読みいろいろ質問してきて、サンナのお母さんは仏教徒だからこの彫刻の写真を見せてあげると喜んでいました。サンナにとって初めての日本観光、知らないことを質問すると結構テオが答えてくれて助かったし(蚊に刺された時は?とサンナがきいて、テオはコンビニでモスキートガードを買ったらいいと言ってました。)暑くて疲れて帰ってきたら主人がクーラー入れて冷たいオレンジジュース用意して待っててくれて、涼んでからカラフルな道行を二人にプレゼントして、ハグして別れました。初めての土地は不安だし、自分のイメージや夢もあるから何とか満足してほしいし、幸せな気持ちになってくれればありがたいですが、細かい不備はあって申し訳ないと思っています。

 エアビーのレビューの評判分析というのがあって、今までの330のレビューを分析して事細かに表にしてあるのですが、私は世界に通用する経歴も資格もないけれど、独自の世界観とか哲学があるとかいてあって、あるかなーと疑問ですがやっぱりもう少し頑張って自分の容量をふやしていかなければなりません。

 サンナちゃんは明日はトトロのフォーレストへ行きたいといってたけど、そういうものに憧れる気持ちはどこから来るのかしら、そうかそれはフィンランドとスリランカの恋の中から生まれたのかもしれません。その深い深い感情を考えてみましょう。