攻めの姿勢で

 ノーベル化学賞を受賞した吉野彰さんが日本記者クラブで会見し、地球環境問題について攻めの姿勢で捉える必要がある、新しい産業を興す絶好のチャンスだと強調したそうです。環境問題は経済性、利便性と調和する技術開発をすれば済む極めてシンプルな話。リチウムイオン電池により、そんな社会が予想されると吉野さんがストックホルムの子供たちに話したところ、「安心した」といわれたといいます。攻めの姿勢とはスポーツの世界でアスリートが言う言葉だと思ったら、いろいろな分野で使われているのだなあと実感しましたが、背水の陣で失敗してもうまくいかなくても辛抱強くやり続けることがとにかく必要なのでしょう。

 エアビーのサイト見ていても、今まで刀パフォーマンスなどで沢山のゲストが来ていたホストが心機一転、日本料理も入れた新しいサイトにしているのを知って、皆さん凄いなと感心しています。日本文化に真摯に向き合い、自分の感性に従ってやりたいように広げていくことをエアビーは応援してくれているというのがわかると、こちらも安穏としていられない気分になります。

 角田陽一郎さんの 人生が変わる凄い「地理」という本に ”地理思考とは世界の至るところでの営みから学び得る人類の叡知の総和だ”とあって、地理や歴史を暗記科目として捉える人材は今後AIにとってかわられ、人間は問いを出す分野で存在感を発揮することが求められる、問題意識、知的好奇心を常に持ち、とことん突き詰めて物事を考える思考を持ち、それにより培った自分なりの美意識から問いを発する行動様式を身につけることが大切と言います。

 エアビーの体験はすべて自分のやりたいようにできるのですが、世界中からいろんな方が来て下さりいろんなことを考え互いにプラスになるように発展していくためには、やはり感性が大事だと思っています。ギリギリのところで一致していくために私の場合は沢山の着物の力、それをくださった方の想い、そして日本の文化や歴史も加わりますが、最近思うのはゲストの個性と未来に向かって進んでいく力、吉野彰さんがいう攻めの姿勢も大事だと思います。この前振袖着た男の子はニューヨークで働いていますがどうも飽き足らないようで、ストックホルムの会社に行きたいと言っていましたが、自分なりの美意識を持ちとことん突き詰めて行動し発展していくエネルギーこそ今一番必要とされているものだと思うし、今やらなければならないことだと思うのです。やはり私のところには素晴らしいゲストが来てくれています。私はかれらと必死に会話しそして楽しく過ごしながらしなやかに考え、そしていずれそれを何かの形にしなければなりません。それが私にとっての攻めの姿勢になるのでしょう。