寒い寒い  庚申

 朝から雪交じりの雨が降っている寒い日に、中国のケリーと韓国で英語の先生しているアメリカのエリカは着物体験に来てくれました。京都で水色の振袖を着たことがあるケリーは今度はピンクの訪問着を選び短い髪もアップにしてくれとのこと、よそで着物着たことがある方の要求度はレベルが高いので、ヘアはアバウトな私はいつも冷や汗ものです。ドレッドヘアのエリカはちょっと髷作ってあとは垂らし、簪やら花やらたくさんつけて、赤い振袖着て出来上がり。雨風が強いのでコート着てショールして柴又へ出かけました。

 今日は今年最初の庚申で天気悪いにもかかわらず結構人出があり、お寺の本堂も奥まで入れたし庭園見て鯉を見て、彫刻ゾーンに入り少しあったかくてほっとしました。無信教のケリーはさっぱりと見ていましたが、プロテスタントのエリカはいろいろ関心を深く持つタイプで、蓮華経の彫刻版の「三車火宅の譬え」は学校で習ったから知っていると言われて絶句、そういえば随分前に来た男性のゲストが、この教えが蓮華経の中で一番大事だと教えてくれたことを思い出しました。キリスト教は一直線で、一方に神がいて反対側に人間がいるイメージだけれど、仏教はサークルで輪廻転生、私もブッダあなたもブッダだから興味があるというようなことを言っていました。韓国の方が日本よりも待遇がいいようで、これまでも何人も韓国で英語の先生しているというゲストが来て彼氏が韓国人という女の子も多く、エリカもそうでした。でもエリカのパワーは計り知れないようで、カラオケの話たら銀座で一人カラオケして歌いまくったというし、うちの体験終わったら都庁の展望台行くというし、写真もたくさん撮って帰って行きました。

 ケリーは明日北京へ帰るそうで、寒かったし大丈夫だったか心配でしたが、あとで送った写真のお礼のGメールと簡単なレビューをくれ無事帰れたと一安心。パワフルなエリカは音沙汰なく、そこら中歩き回っているのでしょう。レビューをくれるタイプと忘れてしまうタイプと二通りあるのですが、あまり良くない印象の場合はわりとスルーしてくれるので、こちらもその方が楽です。でもレビューなくても私の中に知識とか印象とか強烈に与えてくれたゲストはありがたいです。もっともっといろいろ考え、作り出していかなければなりません。

 エアビーからパラリンピックに向けて障害者のゲストを受け入れられるかとの問い合わせがありました。着付けで車椅子の方の留袖の着せ方習ったし、うちは整骨院で玄関も広く骨折の車椅子の方にも対応できるし、私は一応介護福祉士で車椅子の移乗も習ったし、そういうことは得意分野なのに気が付きました。神様はいろんなことを見せてくれるし。与えてくれる。そして私は何を一番したいのかと問われたら、喜んでくれた時のみんなの姿の中の神を感じた時なのかもしれません。神が宿る瞬間を、私はこの仕事をしていて何回も見ているのです。神はは細部に宿る、その瞬間を何度も見ているのです。