ファションショー

 コロナ肺炎の影響で東京マラソンが中止になり、そのために来るはずだったゲストが来られなくなったのでうちの体験もキャンセル、まあどこも大変ですがその代わり息子の友達が着物着に来るとか、ぼちぼちやっていこうと思っていたら、知り合いからファッションショーの券を頂き、着物着て毛皮のショール巻いていそいそと出かけてきました。会場入ると有名人がそこここに居て、このショーは有名なんだと実感、相撲界政治家タレント・・着物姿の方もたくさんいて、歌舞伎座やお茶会の着物とは違うし客層も異質で新鮮でした。

 まず会場に入り、ずらっと並んだマネキンのドレスに圧倒されました。今障害者の着物について考えているので、ファッション化された着物はとても参考になるし、着物の品格を落とさないでアレンジして着せるにはどうしたらいいか、それがファッションにつながっているのが面白いものだなと思いつつ、豪華なドレスの写真をたくさん撮りました。

 さてショーが始まって若い綺麗なモデルさんたちが次々に登場したのですが、顔が皆同じに見えてしまい、ドレスが訴えてこない、かえってマネキンの方が個性があってドレスを主張している気がしました。でもゲストで舞台俳優さん夫妻や往年の映画監督や女優夫妻が白いタキシードにドレスを着て登場したときには興奮してしまい、何事かを成し遂げた方々の存在感がドレスを着るには必要だと私としては思った次第です。

 着物の観客の方が多かったので、色々見て楽しかったのですが、長身のお嬢さんの着物が薄い色の訪問着でそれに薄い色の帯を締めると余計大きく見えてしまうとか、今特に外国人に着せているのでサイズ見たうえで色や素材を考えながら試して帯揚げ帯締めまでこだわってコーディネートしているので、うちの着物の種類の豊富さというのは着物を着る女性をいかにきれいに見せるかということに大きく役立っていると感じました。作ったり買ったりせずあるもので勝負していますが、最近神がかったように必要なとき必要なものをいただくようになりました。世界中にいる着物を着てみたい方々、どんな状態であれお着せしたい、そういえば車椅子の母に留袖を着せたことがあり、そうしたら突然しゃんとして部屋からフロアに出てみんなに自分の姿を見せるので笑ってしまった、そんなこともあったのです。

 外国のゲストを連れて電車に乗っている時声をかけていただいたのがきっかけでお付き合いさせていただくようになり、こうやって素晴らしいショーまで見ることが出来て光栄ですが、ここからまた進んでいけるきっかけにもなりそうな気がしています。