愛情

 今朝の四時半、サイドボードの母の写真の前に抹茶入りのお茶と”はるか”という柑橘を切って供え、電池蝋燭を灯して鉦を鳴らし拝みました。ちらちら炎のように灯る電池蝋燭は優れモノで、施設に母がいた時、亡くなった方々の写真を並べて拝める棚にこれを置いておいたのですが、時間が来ると自然に消えるので、物忘れのひどいお年寄りに最適なのです。

 電池蝋燭が時間が来て自然に消えました。すごいねえ、よくできているねえ、おかあさん・・写真に話しかけていて、はっとわかったことがありました。大事なのは、心の軸は、ひたむきな愛情と誠実さ、勤勉、穏やかさ、感謝、永遠の愛でした。お金も名誉も地位も陰謀も邪悪も、今はすべてコロナ新型ウィルスの前で無になってしまっています。いたずらに右往左往して心が乱れ、何も考えられなくなっていたのですが、母の写真見ていて、不安がふっと、消えました。

 政府の対応が悪いとかいろいろ言う前に、人間が人工知能AIにまさるのは「知的持久力」があることだということを思い出し、一つのことに可能な限り多くの情報を集め、徹底して考えなければなりません。現状に疑問を持ち、本当にいいか問い続け、熱意を持って考え挑戦し続けなければなりません。何も考えずいたずらに不安がったり他人を貶めていたら、それはいずれ自分を滅ぼすことにつながるのでしょう。

 ピーターフランクルさんがユダヤ人ということですべてを失い命さえ残ればいいという極限の体験をしてきた両親に言われてきたことは

「人間が本当に持っているものは、頭と心の中にある。他は奪われても残るのは、自分が覚えた知識や技能、心温まる人間関係・・そうしたことを大切に生きなさい。」 自分を守るものは自分でしかない、相手が人間であってもウィルスであっても、一番大切なのは誠実で公正な行動をとり、誠実に相手を知ることが生き残るためには必要です。この世は昨日と同じ世の中は来ない、本当にその通りだと実感しています。でも必ず新しい価値を創る、その意志を持って取り組むことが未来を開くのなら、私の体験もこのコロナ新型肺炎を経て、今までとは違った気持ちで体験を組み立てていかなければなりません。今大切なことは何かということをできるだけシンプルに考え、自分にとって何が大切かという軸に沿って進んでいけるところまで行こうと思っています。