カオス 混沌

 今世の中は混沌としています。そんな中、2月28、29日と本当に珍しく予約が入り、そして昨日は息子が二人のガールフレンドを連れて来たので、二日間で五人の着付けをしました。初めの日のゲストはカナダからで、この時期ここまで来るというのは覚悟してくるのかと思って聞くと、二週間日本にいてディズニーシーにもいって明日カナダに帰るというのであまりコロナウィルスも関係なかったようで、ラッキーな姉妹でした。お父さんがウクライナ出身、お母さんはUKだそうで、お姉さんはヨーロッパ系美人、妹さん(ケーキ屋さんです)はアジア系美人で、スノーボードにサッカーが好きなのですがでも彼氏いないとのこと、帰り際には用意していたらしいカナダの手袋とチャームペニーを私たちにプレゼントしてくれました。 

 翌日は北海道大学に留学して日本語と人類学を勉強している22歳のイドリちゃん、目のぱっちりした可愛い女の子ですが将来は法医学をやりたいという頭のいい子で、赤の振袖を着て帝釈様へ行ったのですが漢字を600くらい知っているそうで、かたっぱしから読んでいきます。

あと観察眼の優れた子で、彫刻版を食い入るように見つめ疑問なことはすぐ聞くし、案内も英語でなく日本語を読もうとしていました。養子のお兄さんが二人、年の若い弟が二人いて両親は十代で結婚したとか、よくわからないのですが静かでしっかりしています。北海道に28歳の日本人のボーイフレンドがいるそうですが、とにかくこんなに長く彫刻版の前にいたのは初めてで、情緒ではなく観察してみていくと時間がいくらあっても足りず、心配した主人からラインが入ってしまいました。京都ではうどんを打って食べる体験をしたり抹茶茶碗を作ったりしたそうで、本当に好奇心旺盛な女の子でしたが、ちょうど息子の友だち(大阪人です)も合流して色々皆でしゃべってましたが、ガチャガチャしたうちのカオス体験はどうだったでしょうか。

 イドリちゃんが帰った後、日本の女の子たちにも茶道体験してもらいましたが、物おじせず世慣れてつっこむ様は外国人ぽくて、彼女たちの柔らかな思考や行動はこれから特に必要だと思いました。限られたゲストしか来ない今、私がゲストから学ぶことのなんと多いことか、私に学ばせるためにゲストが来てくれている気すらします。いろいろな価値観が崩れてきているなら、新たな価値観を見つけて何かを創り出していけばいい。弱冠22歳の女の子が教えてくれたものは大きかったのです。