愛される方法  How to be loved 

 義母の弟さんから夫に不動産に関する相談事があり、電話でいろいろアドバイスしていましたが、不動産会社に勤めている夫の友人とともに昨日埼玉のお宅まで伺い、弟さんの仕事がうまくいくようできる限りの手を尽くして帰ってきました。友人にも手間を取らせたので久しぶりに居酒屋へ飲みに行って酔って帰宅し、「大変だろうけれどうまくいくといいなあ。自分のうちのテナントはずっと決まらないのに人の世話をしているなあ」(だから私が着物の仕事を二年も続けられたのですが)としみじみ言いながら寝てしまいました。

 夫の言葉を聞いていてあっと思ったのは、これがコロナ以後の人生の送り方ではないかということです。これから私たちが仕事をしていくのに大事なことは相手を思いやる、相手のために尽くしていく、困っている人のために何ができるだろうか、世界のために自分は何ができるだろうかと考えていくことで、愛のエネルギーで動く時、人は多くの価値を創造できるのでしょう。いろいろな制限が少しずつ解除されて元の生活が再開するとしても、いつどうなるかわからない不安をずっと抱えて生きていかなければならない時、どう心を持って行けばよいか私は迷っていました。

 仏教の説話に、地獄の餓鬼道に落ちて飢えに苦しむ者に長い箸しか与えられず、どうしても食べられなくて苦しみ続けるのですが、極楽では同じように長い箸が置かれると、向かい側の人に食べさせてあげながら自分も相手に食べさせてもらい、美味しく楽しく食事をするそうです。

 世の中には素晴らしい物、美味しい物、愛すべきものがたくさんあります。どうしたら、皆が幸せに生きていけるか、コロナウィルスは教えてくれているとしか思えないのです。愛される方法、語弊を恐れずに言えば、コロナウィルスに愛される方法を考えていくことがこれから大事だと思っています。