スケッチ  sketch 

 七月になり、ボチボチ着物業界も自粛後の反動で忙しくなっているところもあるようです。綺麗な色の着物見るといいなと思うのですが、自分で着るのではなく、外国人に着てもらいたいと考えるとため息が出ます。まだまだ世界情勢をみると厳しいし、簡単に終息するものではないとすると、娘たちと違って差し迫って着物の仕事をしなくてもよい私は、これまでを振りかえっていろいろなことを考えている方が良い様で、スマホに入っている今までのゲストの写真を見ていたら、時々はっとするような風景の中のゲストの写真を見つけ、もし私が画家なら何か触発されそうなものだと思うし、このまま埋もれさせてしまうのはもったいない、柴又の佇まいとゲストの着物姿が一つになったものをスケッチのように留めておきたいとおもいはじめました。

 この写真は二年前に来たフランス人の男の子三人を柴又を案内し、かき氷を食べさせ、江戸川の土手に上った時のものです。20才の男の子三人相手に私は苦戦しましたが、三人ともとても素直でシャイな子たちで、浴衣が似合うけれどはじけず、淡々と体験コースをこなしました。でもこの土手の写真を見ていると、良い浴衣を何気に着こなして無造作に佇む姿を私は心から愛するし、これが私の求める究極の日本文化の味わい方だと思えるのです。日本人と違って濃い顔立ち、そしてフランス人はなかなか癖があるのだけれど、うちに来たゲストの男の子たちの普通さの中に私が一番求めているものがある気がします。そして浴衣が何よりも喜んでいる。これが今の私のスケッチです。This picture was taken when three French boys who came two years ago went to Shibamata, ate shaved ice, and went up to the bank of the Edo River. I had a hard time with three 20-year-old boys, but all three were very obedient, shy, and looked good in yukata, and they completed the experience course. However, when I look at this picture of the embankment, I really love how they dressed up in a good yukata and stand casually, and I think this is the ultimate taste of Japanese culture that I seek. Unlike Japanese people, they have a strong face. And my Yukata feel more than happy. Here is my sketch now.