バッタ   grasshopper 

 帝釈天の参道にはたくさんのお店がありますが、ゲストたちに特に紹介していたのが、ワサビの柿の種とイナゴの佃煮で、前は試食できたのでイナゴそのままの形をした佃煮をゲストに勧めて、佃煮屋のおばさんも「グラスホッパー」という単語を覚えて説明して下さっていました。There are many shops on the approach to Taishakuten, but what I especially recommended to the guests was the persimmon seeds of wasabi and locust tsukudani. The aunt at Tsukudaniya also remembered and explained the word "grass hopper".

 今アフリカやインドでサバクトビバッタという世界で最も破壊的な害虫が発生し、恐ろしい勢いで作物を食い荒らしていますが、これは過去にも起こっていて、普段はおとなしい孤独相という状態にいるのですが、何かのきっかけで大量に発生して他の個体などとぶつかり合うなどして刺激を受けると活発に行動する群生相という状態に変化し大群となって押し寄せるそうです。The world's most destructive pest known as desert locust is now occurring in Africa and India and is terrifyingly devastating crops, but this has happened in the past and is usually in a state of gentle loneliness. However, it seems that a large number of them occur due to some reason, they collide with other individuals, etc. and when they are stimulated, they change into a state of a group of fauna that actively acts and crowd into a large group. ドローンで殺虫剤大量に撒いて殺したり、家畜の飼料にするために捕獲して政府が買い取ったり、カルシウム源にしようとしたり色々試みているようですが、ヒッチコックの映画ではないけれど、何かの加減で人間より強い集団になってしまうと、鳥だろうが昆虫だろうがすべてが敵になり、何とかして絶滅させようとみんな血眼になっています。増える原因を作ったのは人間だというのに。People are trying to kill a lot of pesticides with drones, catch them for livestock feed and buy them by the government, or try to use them as a source of calcium. Although it's not a Hitchcock movie, if something makes it stronger than a human being, all birds and insects become enemies, and everyone are trying to extinct somehow .. Humans made the cause of the increase.

 バッタに関する面白い話を桂さんがラインで送ってくださいました。

「ある町に”行き当たりバッタリ”という気ままなバッタがいましたが、体にシミができてお医者様に行ったらそれは”苦シミ”と”悲シミ”だといわれ、果物を食べなさいとのことで柿を食べたのですが治らず、その柿は”モガキ”と”アガキ”だったと言われ、この裏山の”命崖”を登ったら治るというので、必死で登ったら「ガンバッタ」という名前になりシミもとれました。ところがよく見ると、周りには「オレガ」「ワタシガ」という蛾が飛び交っていて、餌を取り合い水を取り合いいつも争いが絶えないのを見て、またまた神様に尋ねると、危ないから「おかげ」の影に隠れて居なさいといわれ、自分も蛾のように自分のことばかり考えて居たことに気が付きました。それからガンバッタは「ありがとう」「あなたのおかげ」とみんなから言われるようになり、”幸せだ”が口癖になった「ガンバッタ」はシアワセバッタと呼ばれるようになりました、という話です。

 ネットでこの話をさがしてみたら、ガンバッタまでで終わっていて、シアワセバッタまで書いてあるのはなかったのですが、深い話です。頑張っているのなら、大量発生しているサバクトビバッタだって、生きるために必死で食べ物を探しているのだし、生き続けていいのは人間だけだと、好き勝手をしながら欲に駆られて争っているほうが間違っています。命崖を頑張って登ってきても、頂上で争ってはいけなかったと、バッタもコロナも私たちに教えてくれているような気がします。

 わたしの まちがいだった  わたしのまちがいだった  こうして 草にすわれば それがわかる   

 八木重吉の「草に すわる」という詩です

 何回も何十回も間違えてばかり来た私です。でもだから、今の世界状況がほんとうに切羽詰まっているということもよくわかります。よくも名誉もお金も等しくコロナの前にはなすすべもありません。頑張るということを、自分の利益のためだけにしてはいけないのです。  どんな境遇にあろうとも「幸せだ」と言える人はなかなかいない、そうそう、苦難のなかにいるのに、毎晩お酒飲んで夕飯食べて「しあわせだ」と言っている夫は、姑の弟さんの会社じまいのために奔走していますが、兄弟間の暗黒のトラブルが深くて困難続きですが、何とか叔父夫婦がこれからの老後を無事過ごせるよう頑張っています。自分のためでなく人のために尽くせることは、幸せなんだなとそばで見ていて私は静かに思っています。