麻布十番

 義母がショートステイに行った週末、金町の桂さんに頂いた雑誌に麻布十番にイタリアのおいしいチーズを売っている店があると出ていたので、夫と小雨の降る中行ってきました。大門まで行って大江戸線に乗り換え二駅、あっという間に着きましたが、街を歩きだしたら有名なお店がたくさんあって、まめ好きの夫は豆源でたくさん買い込み、私は近くのたい焼きやさんの浪花家さん、たぬき煎餅、など興味津々で覗いていました。目的のチーズやさんはFior di maso(農場の花)といい、北イタリアのチーズ専門企業による直営としては初めてのお店で、契約農家からのみ運ばれてくる厳選されたミルクから製造、納品までを一貫して自社にて開発、管理をしているそうです。静かなお店で初心者には何をどう買っていいのかわからなかったのですが、地下には温度湿度が管理されたチーズセラーがあり、ずらりとホールチーズや大きなサラミ、ワイン、ジャムなどが置いてあって、とりあえずお値段の手ごろな「アジアーゴ・フレスコ」とチーズのアラカルトの盛り合わせを買いましたが、生ハムの注文の仕方もわからず、というかすべてに知識がないので手も足も出ない感じでした。フロアにワインの飲めるスペースもあるのですが、ここで飲む勇気はなくて、それでも会計の時係の女性に近くにパン屋さんはあるか聞いて、教えてもらったところが芸能人もたくさん来るという「ポワンタージュ」というお店でした。さすが麻布十番は違うと感心して、いろいろ買ってさあどこかでご飯食べようと歩きだしたら、土地勘がないのでとんでもない方向へ歩き出したようで、なぜか延々と坂を昇り、タワーマンションに見とれながら韓国大使館や億ションの立ち並ぶエリアを通り、暗闇坂の標識のあるところまで来ました。

  私はどこか行ってもあちこちうろつき回るのが好きで、目的地へ行ったらすぐ帰るタイプの夫と出かけるときは諦めて、見たいところも見ないで帰ることが多いのですが、道を間違えたおかげでいろいろな所を見たし、特に暗闇坂は興味があったのでラッキーでした。焼肉屋さんが多くて居酒屋は見つからず、8500歩歩いて疲れたので喫煙可のアジアンレストランに入ってウオッカサワーを飲み、生春巻きを食べて帰ってきました。

 今日はゆっくりお風呂に入れるので、乳頭温泉の入浴剤を入れて白濁のお湯で温まりましたが、温泉行くのも無理、イタリア行くのも無理ですが、麻布十番だけでも幸せでした。チーズが美味しかった!この次は一人でそっと行きましょう。