この世の関節が外れたわい The time is out of joint

 昨日はシステム障害で、朝から東京証券取引所は全株式の売買を一日停止する事態になり、長年株をやっている夫はこんなこと初めてだとびっくりしていました。今年はとにかく波瀾万丈であり得ないことが起こると予言されていて、トランプ大統領夫妻が新型コロナウィルスに感染したとのニュースもはいり、ほんとにハムレットの「この世の関節が外れたわい」というセリフがぴったりの事態になっています。

 さっき「正しい判断のためにはワイドショーを見ない」というある雑誌の見出しを見て笑ってしまったのですが、それとは一線を画している朝の「にほんごであそぼ」という子供番組ではこの所シェークスピアをしきりに取り上げていて、マクベスの「きれいはきたない、きたないはきれい」「悪いことをすると自分に返って来る。そして眠れなくなる。」「人生は歩いて居る影に過ぎん。哀れな役者だ」「カタルシス。もうひとつの人生を生きて見ることにしよう。」「違う自分になるんだ。風のようになるんだ」というセリフを折り込んだシェイクスピアの歌を三人の子供たちが歌って踊るのを私はずっと見ていました。

 ところが恥ずかしながら、この中のカタルシスという言葉の意味が私には解らず調べて見たら、ギリシャ語で「精神の浄化」を意味して、不安や怒りなどの心の汚れや罪の意識などを取り除いて、精神を正しい状態に戻すことだそうです。文学作品などの鑑賞において、そこに展開される世界への感情移入が行われることで、日常世界で抑圧されていた感情が解放され、快感がもたらされるとのこと、抑えられていた感情が解放され、心の中がスッキリするとか、マクベスのような激しい文学を読み、追体験することで心が解放される。こういうことを繰り返していると、人間の幅が広がり、ものに動じなくなるのでしょう。それにしてもこのところこの番組で取り上げられる文学作品の多様さは半端ではなく、元文学少女だった私は幸田露伴、坂口安吾、三好達治、高村光太郎、有島武郎、宮沢賢治、堀辰雄、志賀直哉など辛うじて読んでいますが、これらの文学の断片を子供たちの頭の中に直接刷り込んでしまう監修の斎藤孝さんの力量は大したものだと感動しています。平家物語の”祇園精舎”を暗唱する子供たちはいつか自分でそれを読み、何かを思うようになる、人間の幅や深さは人それぞれ違いますが、それぞれが影響し合う事で何かのエネルギーが生まれるのでしょう。

 これからの数週間はかなりセンセーショナルな、ドラスティックな思い切った変容の時期が容赦なく始まっていく星の動きがあって、人間たちの魂がぬるま湯の中で腐っていかないように強烈な霊力が襲ってくる、変わることを拒むなら、滅ぼされてしまうとのことです。ひたひたと時代の切り替わりの時が訪れているのを感じます。人を貶めたり誤った情報や報道を流して人心を惑わそうとしたものは、自分の長い爪に毒を塗り付けてお釈迦様を殺そうとし、転んで自分の皮膚にその爪を刺して死んでいったダイバタッタのようになってしまうかもしれません。正しい判断ができるかどうか、悪を滅ぼすのはコロナウィルスではなく、コロナウィルスのワクチンかもしれません。

 一たび悪事に手を着けたら、最後の仕上げも悪の手にゆだねることだ。  マクベスのセリフが蘇ります。

 この世の関節が外れたわい・・