鏡開き

 今日は鏡開きです。柔道八段の義父は生前は、毎年講道館に行ってお仲間たちと新年会をするのが恒例でした。今年は色々なことが中止になっているから、講道館でお汁粉食べたりもできないのかもしれません。整骨院をしていた頃は治療室に大きな鏡餅を飾り、小さいのを神棚、仏壇、荒神様、そしてトイレにまで置いていました。お正月の間、鏡餅は年神様の居場所になっていて魂が宿っているので、鏡開きにはこれを下ろして食べ、一年の無病息災を願うのだそうです。今お餅を買っている和菓子屋さんは、鏡餅の間にワサビシートを挟んでカビを抑え、付き直してのし餅にしてくださるのでありがたい限りです。義父が亡くなってから、百円ショップで小さいパックの鏡餅を買ったことがあったのですが、賞味期限は三か月と書いてあり、食べるのを延ばしていたら忘れてしまって、処分したという後味の悪い経験があります。行事のいわれをしらず不遜なことばかりしていましたが、コロナ時代になって、様々なことをきちんとしないといけなかったと反省しています。

 それにしても今日は凍えるほど寒くて、そしてなぜか成人の日となっていて、式典は中止のところが多いのですが、着付けをキャンセルするのもお金がかかるので、結局娘は昨日から池袋のホテルに泊まり、六人に振袖を着せたとラインがきました。デニム着物を今風に着るイベントした時のお客様のお嬢さんとか着付けたそうで、彼女のやっていることを認めて楽しんでくださる方も少しずつ増えてきて、嬉しく有難いことです。柴又のお団子屋さんの女将のブログを見たら、セレモニーがなくてホールに行けなかった振袖のお嬢さんたちが、沢山帝釈さまに来たそうで、成人になってお寺にお参りするなんて本来の理想的な形のような気がします。思い起こせば去年は1月12日が成人式で、ちょうどゲストで来ていたベリーショートヘアのイタリアの背の高い女性と可愛い中国系の女の子に振袖着せて、二人の彼氏を引き連れて柴又へ行き、沢山の振袖の日本人の女の子と混じって暖かな日差しを楽しんだのでした。

 二度と同じ日は戻らないかもしれませんが、それだったらまた新しい日々を始めればいいのです。毎日着物を着て、お茶を点てて美味しい和菓子を食べているとヤンママにラインしたら、ナギサちゃんと一緒に是非お茶をいただきたいと返事が来ました。着物を着て襟を正してお茶のお点前をする、これを今年の目標といたしましょう。寒くて暗い気持ちになるのを奮い立たせるためには、やはり自分の芯をきちんと持ち、何かを創り続ける意志を持っていなければなりません。

 明日は山羊座の新月です。新しい月が出ます。