スクランブルスクエアのヘラルボニー

 ヘラルボニーのハンカチで帯を作りこみたくて、ネットで買おうと思ったのですが、やはり実物を見たくて調べたら、なんと渋谷のスクランブルスクエアの二階で九月いっぱい出店してるとわかり、昨日久しぶりに渋谷へ出かけました。駅から出ずにビルに入り、地下のお店の美味しそうなスイーツを眺めながら二階へ上がると、エスカレーターのすぐそばに、ひときわカラフルな色彩のグッズが沢山並べられています。もっと地味な感じのコーナーかと思っていたので、まずびっくり、そしてそこにいらした男性のお客さんが興奮した口調で商品を手に取りながら若い女性の店員さんと話しているのにびっくり、ここはインパクトのあるブースなのでした。

 ネットでさんざん見ていたので、どれも名前がわかるし、特に「葉っぱ」と「埴生の宿」が気になっていたので、ハンカチのコーナーでそれを探し、近くに来てくれた店員さんに目的を話して、持参の黒い帯に合うデザインを探しました。遠目で見てインパクトがあり、着物にも着る人にも馴染み、そして何か違和感を持つものを探していたら、八重樫 季良さんの「車」と「家」という作品に行きつき、タッチは違うのですがこれを前と後ろに使ったらどんな感じになるか考えると面白くてこれを購入しました。デザインが強く、どの面を使うかで印象が全く違うし、意味が物凄く深くて底知れないオーラがあります。

 なかなか合わせる帯が見つからなかった変わった柄の単衣の着物に今朝帯を締めてハンカチを合わせてみました。面白いのです。違う着物に締めればまた違ったものになるし、これを私が着たらどうなるか、わからないけれど、作者の思いと格闘しないと着こなせない気もします。本当に初めの一歩なのだけれど、使われることのなかった喪服の黒い帯をどうにかして締めたいというところから始まった私の想いが、ヘラルボニーの作品を使わせていただくことで、もっと複雑になっていくようです。