振袖

 今年は1月10日が成人式で、娘は沖縄のお店で着付けをすると言って、雪の日に飛行機で出かけて行きました。コロナ感染が沖縄は一番多いし、大丈夫なのかしらと心配していましたが、昨日ラインしたら、やはり式が中止だったり、キャンセルがあったりで、少なかったようで、のんびりしてしまったと返信がありました。今日は池袋で着付けるとのこと、朝は寒いけれど日中は暖かくなってほしいものです。いつも思うのですが、20才というのは心身ともにまだしっかり決まらない時代だから、振袖を着こなすのは難しいし、どうしてもみな同じような形になってしまう気がします。でも、親御さんの想いが一番強いのかもしれず、同窓会のように会場で集えるのも楽しいものなのでしょう。でも今日はとても寒いのです。もう少しあたたかな季節に式を開催してあげればいいのに。

 去年はまた2枚振袖を戴いたので、今うちには15枚の振袖があり、整理して一つのタンスに収納しました。昨日はボディに着せて飾ったのですが、これからこの振袖を着てくれる外国人は来るのかしらと不安になりながら、これまでうちに来て振袖を着たゲスト達の写真を探して見ました。春夏秋冬様々な季節に訪れるゲスト達は、訪問着、小紋、振袖と並べておくと、豪華な振袖に目を引かれるようです。

こうやって並べてみると、あの時の会話や光景が蘇ります。四時間みっちりと使って振袖を着せ、柴又を案内し仏教を説明し、お茶を点て、日本文化を味わってもらい、笑い合った時のこと。成人式の着付けとは違い、こちらが全部組み立てなければならないのだけれど、苦戦しながら過ごした日々のなんといとおしい事でしょう。イタリア、アメリカ、ドイツ、香港、イギリス・・世界中からゲストが来た時代があったのです。トライアスロンのアスリートや法律の勉強している学生さん、日本で働いている方など、いろんな方が振袖を見事に着こなしている、その時の表情や仕草や、気持ちのつながった瞬間を私はずっと忘れないでしょう。