Farewell Fire 送り火

 昨日は送り火でした。お盆の最中ずっと雨が降っていて、お墓の掃除に行けなかった私は、仏様たちがうちから八柱霊園にお帰りになった時、お墓の花が枯れていて雑草がたくさん生えていたらどんなにがっかりするか、特に義父は絶対烈火のごとく怒ることがわかっているので、送り火を焚く前に小雨の中お墓掃除に行き、綺麗にしてお花を飾って帰ってきました。

 嫁にきてから何回、何十回と怒鳴られてきたことは、今考えると貴重な体験かもしれない。送り火も四十回以上焚いてきましたが、ずっと一緒にいた義母が施設に入り、夫と二人でおがらを燃やした焙烙の上を三回またいでいると、「こうすると病気しないんだ」という義父や義母の声が蘇ります。彰義隊の末裔のご先祖様、兼三おじいちゃま、とみおばあちゃま、武君、源ちゃん、光枝さん、さだおかあさん、そして義父の魂は、馬に乗ってあっという間に空を駆けぬけて、八柱霊園に帰っていかれました。掃除しておいて本当に良かった、心から安堵して家に入り、夕食の支度をしていたら、娘から「コロナに感染した」と連絡が入りました。

 えーっ、このタイミングで何でこのラインが入るのかしらと私の頭は混乱してしまいましたが、このところ休みなく働き、食事も不規則で痩せてきたなどと言っていたから、いろいろな要素が絡み合って体も抵抗力が落ちて居たのでしょう。気候も不安定だし、ゆっくり休んで栄養を取って、リフレッシュしてほしいのですが、コロナウィルスと戦うというのも、私たちはいつも考えていなくてはならないことだと、改めて気づきました。 

 隣家は昨日から立て直しの取り壊しが始まり、若夫婦の為の新しい家が2月にできるとのこと、うちも久しぶりにテナントの内覧に何人か見えて、どうなるかわかりませんがいろいろ動きだす気配がしています。とにかく片付けないといけないので、たくさんの着物を二階へ運んでいたら、三月に沖縄から来たカウンセラーをしているアメリカ人のゲストからメールが届き、コロナ以後初めて来た彼女達への公開メッセージをブログにあげたのを読んでくれて、その感想が書いてありました。ところが私には、その時何を書いたかもう記憶がなくて、自分が書いた英文のブログをコピペしてグーグル翻訳して読んで見て、自分でこんなことをその時思ったんだと驚いてしまったのです。ゲストの彼女は「予想していませんでした。知恵と励ましに満ちた最後の部分が気に入りました」と書いてくれ、いつもだとゲストからレビューで体験の感想を寄せてもらうところを、逆に私からアプローチしたのは、コロナ以前と同じことはもうできないし、それが必要だと感じたからでした。

 でもそれからまた月日が経ち、いろんなことが起き、又世の中は混乱しています。明らかに天は何かを啓示している今、それを読み解いて、前へ進んで行かなければなりません。今日はノアの方舟の日だそうです。人類史史上最恐ともいえる大洪水の時代を生き延びたノア一家を祝う記念日で、それは同時に激変の時代を生き抜く神懸かり的なパワーと智慧が蘇ってくるタイミングでもあるといいます。

 私はこれからお盆提灯を片付けます。季節季節の行事は、本当にいろいろなことを教えてくれるのです。