冥王星の力

いつもなら当たり前の自然の出来事が、今年はなかなかサイクルが決まらないのは、やはり異常気象のせいでしょうか、ヨーロッパは猛暑で、沢山の高齢者が亡くなり、あちこちで山火事が起きている映像を見ていると不安しかないのですが、これはガイア(地母神・大地の象徴)のセルフメンテナンスなのだとあるサイトに書かれていました。ちょうど今宇宙では太陽と地球と冥王星が一直線にならんでいるところで、こういう配置の時は地球そのものの霊力が一時的に活性化していき、元気になったガイアは、自然の美しさを真っ直ぐに伝えてくれると同時に、場合によっては荒ぶる女神として人間をギョッとさせるような自己表現をすることもあるのです。私たちが異常気象と呼ぶような現象も、ガイアにとっては当たり前に必要なセルフメンテナンスだったりもする。太古の人々は、そういった地球の命にちゃんと寄り添っていたのでした。宇宙のパワーが高まっている今、それに呼応する形で地球のパワーも高まっていいるのだから、旬の食材を食べたり咲いた花を愛でたりして、地球の作品たちの生命力にあやかればいいのです。たくさんの霊たちが地上に降りてくるようになり、意識を司る太陽と魂を司る冥王星、この二つにサンドイッチされた偉大な女神ガイアは高い意識と魂としての感覚を同時に呼び醒ましています。

 冥王星は避けることのできない大きな変化を社会的な制度や仕組み、個人に対して起こす星で、根本から作り変えてしまうような変容をもたらします。それは一度始まるともう二度と後戻りすることができない、避けることができないようなものでもあります。今あるものを根本から破壊し、まったく新しいものを再生しようとする天体で、宇宙の流れやパワーが冥王星を通じて、現実社会や個人に影響を及ぼし、大いなる宇宙の流れに沿った事象をもたらすと考えられているのです。破壊と再生の星、冥王星は約248年をかけて太陽の周りを1周するのですが、個人よりも時代や世代といった大きな区分に対して影響を与えています。

 占星術の世界で、土星は制限や限界を表していて、例えば時間など、生きていく上で定められている枠組みであったりします。その外側にある天王星は、土星が作ってきた制限や限界を壊し、新しい価値観や概念をもたらす役割を持っています。例えば技術革新によって飛行機や新幹線といったものが生まれ、それまでの時間という制限に対する概念が塗り替えられる。さらに外側にある海王星は、土星の制限や限界をすべて溶かしてしまいます。個人という境界線すらもなくなり、多くの人が無意識の奥底で融合していきます。天王星が鋭い稲妻のような変革を社会にもたらし、海王星があらゆる制限を溶かして壁をなくしていく存在とすると、冥王星は、変化をもたらそうとする対象に対して根元からじわじわと侵入し、根本的な変容を引き起こしていきます。

 例えば、気がついたら街中の小さな個人商店が消えて、コンビニだらけになっていたとか。時代や社会的な流れの中でいつの間にか消えてしまい、それに変わって新しい何かが生まれてくる、というのが冥王星のもたらす変化でもあります。その変容の力には有無を言わせないような力があり、結局のところわたしたちは冥王星のもたらす変化を受け入れざるを得なくなっていくのです。

 ただ、この冥王星の働きをどのようにとらえるかは、人それぞれでしょう。ある人は再生や進化と受け取るでしょうし、ある人にとっては徹底的な破壊や恐怖と受け取れてしまうかもしれません。占星術の世界では、冥王星がもたらす変化は宇宙全体の流れに沿ったものであると考えられています。というのも、太陽系の中でも一番外側に位置する冥王星は、銀河や宇宙の流れをいち早くキャッチする存在であるとされているからです。冥王星がキャッチした情報は、内側にある海王星、天王星、土星へとどんどん受け渡されていくことで、人々の意識を変化させ(海王星や天王星)、社会(土星や木星)や個人(火星、金星、水星、太陽、月)へと影響を与えていきます。

 冥王星との付き合い方は、宇宙の流れに対して徹底的に逆らうことで冥王星を破壊をもたらす恐ろしい星としてとらえるのか。それとも、その流れに思い切って飛び込んで身を任せてしまうことで、新たな世界を再生していく存在としてとらえるか。その意識次第で変わってくるでしょう。冥王星は、物事の変化を起こすためのエネルギーを持ち、その変化によって社会や個人へ様々な影響を与えていきます。

 法律が変わったり、新しい制度が生まれることでわたしたちの生活が根本的に変わってしまうようなことも有りうるのです。その変化は有無を言わせず、わたしたちの生活の中に入り込んできて変えてしまいます。政治家に限らず、冥王星のエネルギーを意識している人というのは、他者へ大きな影響を与えたり、社会を大きく変化させたりするという役割・立ち位置で活躍する人というイメージがあります。一方で、冥王星の影響が悪く出てしまうと圧力や権力で人を支配しようとしたり、自分自身や世界を破壊したい衝動にかられてしまう可能性があります。冥王星という究極の力を人類が使うためには、土星に代表されるように、それなりの重厚なタフさが求められる。例えば、冥王星が象徴するものの一つに「原子力(生か死の強力な変容をもたらすエネルギー)」「遺伝子の操作や治療(生と死とがテーマ)」というのがあります。人類にとって究極のエネルギーを使えるだけのたくましさが育まれていなければ、これらの科学技術を扱うことが難しいのは、いうまでもありません。冥王星はそれまで存在していた物事に対して疑問を投げかけたり、在り方を見直したり、時代の流れを大きく変えていく存在であるといえるのです。

 

 冥王星について考えていると、確かに今この時の事を言っているとしか思えません。混乱の中で、いろいろな出来事が起きているけれど、それらは全て必然で、大きな宇宙の流れに沿っている事だった。若い歌手の歌の歌詞に「集合的無意識」「融合的結論」など出てきて、初めて見る言葉なのに、海王星の特性というところでその観念が出てくるのです。なんてこった!知らなかったのは私だけか。

 ネットの時代、いろんなことを調べればすぐにわかる有難さがある反面、それを自分のものにするにはやはりかなりの努力と時間と、そしてタフさが求められます。若者たちが提示してくれるものを、何とか自分に絡めて、発展させていきたいのです。だいぶ着物が片付いてきました。棚も引き出しも空にしているけれど、もしここでエアビーの予約が入ったらどうしよう、新しいスタートも切らなければならないのです。