東京ばな奈

 このところ毎日暑い日が続き、そして隣家の取り壊しも始まってバタバタしていて、義母の施設のブログをずっと読まないでいましたが、久しぶりにクリックしたら、あれあれ七夕の日には三色そうめんと天婦羅を食べ、別の日には入居者の家族の方の差し入れの大きな西瓜を、目隠しして棒で叩いている義母の姿がブログに載っていて、私はびっくりしてしまいました。明らかにうちにいた時より良い食生活を送っている事を有難く思いながら、全く施設任せにしていることを深く反省し、ちょうど介護課から届いた書類と夏の衣類30枚と、差し入れにスカイツリーへ行って買ってきた”東京ばな奈”三箱を持って、明日夫に施設へ行ってもらうことにしました。

 母方の叔母の世話をしている従妹が、東京で音楽の勉強をしている息子さんがおみやげに”東京ばな奈”を買って行ったら、叔母がとても喜んだと言っていたのを思い出し、日持ちもするし柔らかいから入居者の方に食べていただけたら嬉しいなと考えたのですが、意外と義母は好きではないと言いそうな気がします。(実は西瓜も好きでないのです) 

 コロナ以後初めて行ったスカイツリーのお店は皆混んでいるけれど、感染者数はこのところかなり増えているので、買い物してすぐ帰ってきましたが、夏休みに入っても旅行などしていいのか悩むところです。本当に考えられないような事態がずっと続くかもしれない時に、私たちはどうやって希望を持ち続ければいいのか考えながら、着物やお茶道具の片づけをしていたら、次女からラインが来て、今神奈川の山の中に在る実家の墓参りに旦那さんのオートバイで来ているとのこと、とげの生えた草が生えていて、墓石に苔が付いていてなかなか落ちないと教えてくれました。この暑いさなか、旦那さんが自分から墓参りに行こうと言ってくれたそうで、本当にあり難くて次女はいい旦那さんに巡り合えたと感謝しています。

 夫婦仲が良くて、相手のことを大事に思える心を持っていないと、お墓参りはできない、まして田舎の山奥のお墓までわざわざ自分から言い出して行ってくれるなんてなかなかできることではないし、お墓の前で撮って送ってくれた二人のマスク姿の写メを見ながら、日々を大事に生きている姿に、私ももっと頑張らなければと思うのです。今まで次女と私はいつも諍いを起こし、批判ばかりされていたのですが、エアビーの仕事をしてたくさんのゲストが来ていることを知ったコンサルタントの次女に、初めて私は褒められ、そろそろ引退しようかと思っているとラインしたら、何もしないと老け込むから続けた方がいいよとアドバイスしてくれています。

 この世の中、自分の心を大事にして希望を持ちながら前に進むのをじゃまするのは、人を妬んだり謗ったり傷つけたりする邪念でしょう。そちらに足を引っ張られないように、今やっていることを進化させる努力をしていかなければならない。次女のアドバイスを受入れ、二階にあげた膨大な数の着物たちと取り組む新しい試みを考えます。