ネパールの男の子

 最近は女の子の一人旅のゲストが多いのですが、久しぶりに男の子一人のゲストが予約してきました。オーストラリアからやって来る彼は本当に真面目そうなタイプで、どうやって体験を組み立てるか悩むところですが、コロナ前はガールハントが目的の場合もあったから、一応どんなことを求めるか聞いたら、日本の文化や歴史を知りたいとの返事が返ってきました。これは大変、いろいろなレジュメを探してきて、茶道と酉の市の熊手と、柴又の歴史についておさらいをしました。それにしても男の子は着物と袴くらいしかないから着付けも早いし、時間が余ってしまう分、どこかで食事をして時間を稼ぐしかないかと思いながら支度していたら、10分早く現れたトーマス君はネパールの出身で、大学生の時オーストラリアに来て、それからずっとIT 関係で働き、インドア派の真面目な33歳でした。礼儀正しくてわかりやすい英語を話し、着物と袴を付けて刀を持って写真を撮り、二階へ上がってからは仏壇にネパール式のお線香を上げてくれ、お茶もきちんと点ててから柴又へ行きました。

 日本へ来る前は韓国に行ったそうで、パレスで韓国の衣装を着て写真も撮っていて、いろいろな所で同化できるタイプのようですが、全てがスムーズに早く行われるから時間が余ってしまい、お団子屋さんで長いこと話をしました。単語を調べておいたし、第二外国語同士だし、おうちでもきちんとヒンズー教をお詣りしていたので、お寺でも賽銭箱に寄進するきちんとした子でしたが、さすがに私と一緒で長い時間居るのはきつい様で、四時にダッシュで帰って行きました。

 申し訳ないけれど今日はわたしの英会話レッスンだった気がします。ごめんね、トーマス!