イタリアンパパ

 今日はイタリアからの家族がやってきます。ママと二人の娘さん、年齢は違うけれど、オーストラリアの家族の事を思いだしていると、一時に玄関に現れたのは大柄で恰幅が良く丸いしゃれたサングラスをかけた男性です。えー!その後ろに女性と女の子が二人。父ですと紹介され、今日イタリアに帰る前に着物体験を一緒にしに来たとにこやかに挨拶するイタリアンパパに、予約はしていないけれど着物を着せない訳にはいかないでしょうと覚悟して、まるい膨らんだお腹を見ながら何を着せることが出来るか必死で考え、四月だけれどひで也工房から届いたLLサイズのしっかりした厚手のベージュの浴衣を着せたら、カッコイイ!さすがイタリア人です。

 娘さんのママはライトブルーの訪問着、上のお嬢さんは大人物のピンクの訪問着、ピンクの好きな下のお嬢さんにも着物を着せ、あとからの予約のチリの日本大使館に勤めているふっくらした女性には紺の菊模様の訪問着を着せ、柴又へ向かいました。ちょっと疲れた感のあるママに比べてイタリアンパパは元気で一番この体験を楽しんでいたようで、帰り際しっかり握手してくれたのが印象的でした。もうすぐ受験のお姉ちゃんに、将来どこで勉強したい?と聞いたらロンドンと答え、ママはしかめっ面をしていたけれど、教育費もかさむし子供を育てることはなかなか大変です。

 今日の母娘さんは極めて普通で、淡々と寺を見学し、ポーズを取って写真を撮り、コースをこなして別れを告げました。一番喜んだのはイタリアンパパで、その丸っこい姿はいつまでも可愛かった。京都のひで也工房のハイクオリティの浴衣を着こなしてもらったことが何よりも嬉しい一日でした。