ひとり旅 2023年4月

 今日のゲストはフィンランド、イタリア、メキシコ、ミネソタと世界各地からやってきました。細くて背の高い21歳のフィンランドの女の子が一番乗り。天気が悪くて日中でも暗いけれど、フィンランドもまだまだ寒いようです。次に現れたのはイタリアの30代の女性で、イタリア人は男性は陽気だけれど意外と女性は静かなタイプが多いのです。その後はマリアッチのメキシコの男性とフィアンセのミネソタのふっくらした女性で、雨模様なので着物の上にコートを着て、傘を差して出かけたのだけれど、だんだん雨足は強くなり、お寺の庭園の廊下はびしょ濡れです。水曜日ということもあって参道も閑散としてしていて、雨を防げるところでは随分写真を撮ったのだけれど、ラブラブカップルは幸せそうにしていても、シングルのフィンランドとイタリア組はどうしても浮き立たない顔になってしまいます。 

 一人旅で雨降りで暗い気持ちをどうやって引き立てていくか、一対一の場合は割とやりやすいけれど、人数が複数の場合はずっと一人のゲストについている訳にもいかないので、ゲスト同士の会話が弾むかどうかが鍵となります。お国柄もあるし、性格もあるのだけれど、たった一つでもいいから何か心に残ってくれるものが在って欲しいということだけを私は願い続けます。

 その後の晴れた日に来たフランス人のドクターは丸い眼鏡をかけた可愛い子で、一人旅だけれどずっと笑いっぱなしで、つつがなく体験を終えました。彼氏がいるゲスト、全くいないゲスト、お寺の絵馬を見ながら「あなたの望みは何?」と聞くと「ハズバンド」と即答した40代の女性、結婚はしないのと言い切った韓国の30代の女性、子供が3人いるけれど離婚していて、高齢の両親にも愛されず孤独だと泣き出したアメリカの女性、同級生同士で結婚して綺麗で優秀で仕事にも恵まれているけれど子供がいなくて心が暗く沈んでいたユダヤ系の女性、本当にいろいろなゲストが来ます。

 孤独とは大事なものだと思います。夫がいても子供がいても、根本は人間はひとり旅をしているようなものなのでしょう。どんな状況にいても、どんな情況になっても、前を向いて光を求めて進んでいく胆力を鍛え続け、何かを見出していて欲しい、私が全てのゲストに望むことはそれだったのでした。