One by one 2023年5月3日

 今日のゲストも一人旅が2組、アメリカの女の子とドイツの学生です。お天気の良い五月の連休の一日、まず現れたゲームクリエーターのショートカットの明るい女の子は早口で良くしゃべり、私がついていけないとわかると一人で話し、一人で納得しています。まずいなと思っていると、次に現れたドイツの真面目そうな学生は、にこやかに挨拶した後、アメリカの彼女と切れ目なくマシンガントークをはじめました。紫の単衣を着た彼女と薄手の紺の紬を着た彼は、だんだん写真も2ショットを撮り、手をつないだりはさすがにしないけれど仲の良いカップルになり、天気の良い参道を歩きいつものコースを辿り、アイスを食べ、二人でたこ焼きが焼けるのを見学し、仲良くほおばっているのを私はただ微笑ましく見ていました。

 

 このところ、旅行先で知り合った男女が一緒に次のたびに出掛けるというシチュエーションが何組かあって、男性1人女性2人というのが無難な組み合わせのようです。この二人がこれからどうなるかわからないけれど、意外と駅でさよならかもしれない、でも二人ともアメリカ人だったらこんなに話が弾むのかしら、真面目なドイツの男の子と、トークが大好きなアメリカの女の子が、日本の伝統的な着物を着て共に過ごした4時間でした。一人ひとりの、とても個人的な感慨を持ったであろう、旅の一日の記憶はどんな色をしているのでしょうか。楽しい、嬉しい、淡い夢のような時間が過ぎて行きました。