インドの孫  2023年6月

世の中にはいろいろな人がいます。いつも行く柴又の参道のお店の方もいろいろな境遇の方々がいて、独身の家系の方、離婚したおじさま、子供がいない夫婦、七人の孫が宝だという方、それぞれです。私は3人の子供がいるけれど、孫はいない、息子は悪い血は絶やすと言っていたけれど、否定できないところもあるのです。私がずいぶん苦しんで大きくなり、今だ大変な思いをしているので、同じ思いをしてもらいたくない気もする、そして世界の情勢は日ごとに悪化し、ウクライナでは川の堤防が破壊されて大変な被害が起き、人々は避難しているけれど農作物の被害も甚大で、世界中の食糧事情がもっと悪化すると報じられています。

 今度ミサイルを発射する時は予告をしないと北朝鮮は言い放ち、異常気象で海の状態が変わり魚たちも右往左往している、美食だグルメだ旅行だと言っている暇はなく、アカウントもハッキングされる事態に陥るなら今のうちにペーパーに今までのブログを留めて置く必要があると感じています。事態は刻々と変わっている。これから恐ろしい暑さが襲ってくるだろうし、カナダ東部の山火事の影響でニューヨークの大気汚染は最悪とか、聞こえてくるワールドニュースはだんだん恐ろしくなってきています。

今日ゲストで来たインド人夫婦はシンガポールに住み、パパは銀行員、ママはヨガインストラクターでお見合いで結婚したそうで、真面目な旦那様と綺麗な奥様と3歳の活発な男の子でした。シバ君は中に入るや否や刀で遊び始め、メルカリで買った甚平さんを着て七五三の雪駄を履き、楽しそうにお寺でも駆け回り、だんだん私に馴れて来て手をつないだり抱きついてきたり激しさをましてきます。亀が好きで、電車が好きで、パパが空腹で入った蕎麦屋さんでも食べ散らかすし呆れながらも、私は孫には責任が無いから可愛いという皆様の気持ちがわかって面白かったのです。

息子が生まれた時心から可愛がる私の姿を見て、よく義父に甘やかすなと叱られていたのですが、でも子供に対しても今うちに来るゲストに対しても強い愛情を覚えることが罪悪なのか不思議なのだけれど、一期一会の四時間の付き合いのインドの男の子に別れる時首にしがみつかれて、これが孫なんだと納得しました。自分の子供を可愛がることをセーブされたことは今でも心に残っているのだけれど、その反動で一期一会の外国人たちに四時間思いっきり愛情を注いでいます。

「人生とは、今生きている、この瞬間のこと」 初めて日本に来て、着物を着て、お茶を作法通り飲んで、お茶を点てて、飲んでもらってああおいしいと言ってもらうって、日本人だってそうある経験ではないのかもしれません。ほんの15分ぐらいの短い時間なのですが、自分の心の中に平安があって、時間を超越した美しくシンプルな場所で、幸せだと思える時を味わってもらえれば私はうれしいでのす。感情をコントロールし、エネルギーの方向を定め、技術を尽くして仕事をしていきたいと思っています。
 

図書館で茶席の禅語ハンドブックというのを借りてきて、パッと開いたら「柳は緑花は紅」という有名な言葉がでていました。

 すべてはあるがままにある。そのあるがままのものが、あるがままに見えてくるまでには、苦しい道程を経なければならない。一度徹底的に疑い、否定し、模索して見なければならない。当たり前のことが当たり前でないから、人間界のさまざまな苦しみがある。

 

 年を取ってきてやっと見えてきたものを、大事にしていきます。